ファンタジー小説『ゲド戦記』で知られるアメリカのSF作家アーシュラ・K・ル・グウィンさんが1月22日、オレゴン州ポートランドの自宅で死去した。88歳だった。
ル・グウィンさんの家族が公式ツイッターで「昨日の午後、彼女が安らかな死を迎えたことを、深い悲しみをもって発表します」と発表した。
ル・グウィンさんは1929年生まれ。代表作に『闇の左手』『所有せざる人々』などがあり、「SF界の女王」と呼ばれた。
日本でも知られる『ゲド戦記』は1968年~2001年にかけて出版され、16の言語に翻訳された。同作は、2006年にスタジオジブリが映画化。宮崎駿氏の長男・宮崎吾朗監督の初監督作品となった。
ただ、映画は原作と異なる部分が多い。原作者のル・グウィンさんは映画について、自身の公式サイトに「物語に一貫性が欠けている(辻褄が合わない)」などと批判的な感想を掲載し、話題となった。
ル・グウィンさんは、「絵は美しいが、急ごしらえ。『となりのトトロ』のような繊細さや『千と千尋の神隠し』のような力強く、かつ洗練された豊かなディテールはない」と批評していた。