■ 広角カメラでは難しい?カーブの曲がり具合の正確な把握
家族や友人たちと、車を利用して行楽地に出かけるときにはマイカーだけでなく、レンタカーやカーシェアリングなどの利用も定着し、乗りなれない車での運転が増えています。たくさん遊んで疲れた帰り道など、交通事故には注意したいものです。
最近、車間距離を認識して速度を調整したり、前方の障害物を検知して警告を発する機能など、安全のための新しい技術が広がっています。その一つに、走行中の車が車線をはみ出しそうになると警告してくれる「車線逸脱警告」があります。タクシーやバスなど商用車を中心に導入が広がっているドライブレコーダのカメラでこの技術が実現できれば、安全なドライブ環境がより一般化するということで、実用化が望まれていました。
従来の車線逸脱警告の専用機では、道路と車線がどう伸びて、曲がっているのかを把握するために、遠くまで撮影できる「挟角カメラ」が使われていました。これは、ドライブレコーダで使われているカメラとは違うものです。ドライブレコーダには、自動車前方の環境を広く捉えるための「広角カメラ」が使われています。「広角カメラ」は、広い範囲の撮影ができる代わりに、遠方の撮影は苦手。そのためカーブの曲がり具合を正確に把握することや、二重に引かれている白線の正しい認識などが難しいとされていました。
■ 広角カメラで96%の警報性能を実現
富士通は、この「広角カメラ」の映像データを用いて、実際の正しい車線のかたちを高い精度で予測するという技術の開発に初めて成功しました。挟角カメラを使った専用機と同じかそれ以上の、96%という認識性能を実現。車線逸脱警報機能がついたドライブレコーダが実現可能になったのです。
従来の車線逸脱警報の専用機ではなく、導入が広がっているドライブレコーダにこの機能が搭載されることで、より多くのドライバーに安全な運転環境が提供されることでしょう。レンタカーやカーシェアリングに導入されれば、慣れない運転の心強いサポートにもなるでしょう。そして事故を未然に防ぎながら、ドライブの記録をもとに車線逸脱が起こりやすい場所を特定したり、その場所の事前警告などが実現できるかもしれません。事故の無い社会を実現するために、富士通は2014年度中の実用化を目指しています。
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