子どもが減っても、保育需要は伸びる地域も。待機児童問題の現状と課題

2040年までに保育需要が約60%伸びると予想されている地域もある。
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保育サービス需要の現状と将来推計シミュレータ(β版)のスクリーンショット
みらい子育て全国ネットワーク

少子化が進んでも保育需要は伸びるーー。こんな推計を、待機児童問題に取り組む市民団体「みらい子育て全国ネットワーク」(みらこ)が3月6日、記者会見で報告した。

日本総研や行政のデータを元に、みらこが各自治体の保育需要を独自に推計した。都心部や地方の人口集中地では、これから未就学児の数が減っても需要は伸び続ける見込みだという。

例えば東京都千代田区では、2020〜2040年まで未就学児の数がほぼ横ばいだが、保育需要は約60%も上昇する。

こうして集計したデータをもとに「市区町村ごとの保育需要を調べることのできるツール」も作成された。市区町村名を入力すれば、その地域の現在の保育需要だけではなく、将来の需要推移を簡単に知ることができる。

 

また今回、みらこは、2019年に実施中の保護者・保育者を対象としたTwitter分析とアンケート調査の中間集計を報告した。

■ 保育の無償化より全入化を、保活中の保護者の声

保活中の保護者は、「保育の無償化」について関心を持つ人が多い傾向があるという。

Twitterでは、「#保育園落ちた」や「#保育園入りたい」というハッシュタグのついたツイートと共に、「保育の無償化」というワードが多く登場。「無償化より全入化を望む」というコメントが多い。

■ 保育の質への懸念も…見えてきた保育現場の課題

保育園を利用する保護者へのアンケート調査からは、保育現場の人手不足や若い保育士の経験不足など、「保育の質」を心配する保護者が少なくないことも分かった。

実際に、保育士に対するアンケートでは、「現場の人手が足りない」と感じる人は全体の4分の3に上った。

人手不足の原因として、長時間労働や給与の低さ、業務負担の重さなど、保育現場の深刻な課題が浮かんだ。