カナダ東部ケベック州の町、ラックメガンティック(Lac-Mégantic)で6日未明、原油輸送中の列車が脱線し、爆発炎上した。町の中心部は壊滅的な被害を受け、地元のニュースでは「信じられない。まるで映画のような光景」と住民が語る様子を放送している。
カナダ放送協会(CBC)の報道によると、7日現在で少なくとも5人が死亡、約40人が行方不明となっているという。二次災害を避けるため、町民約2千人が強制的に避難を余儀なくされている。爆発を目撃した住民は「土曜日の朝、市の中心部で大きな火の玉が上がるのを見た。客で満員だったはずのバーもほかの建物といっしょに吹き飛んだ」と語った。
BBCもツイッターで速報を流している。
■貨物列車が謎の暴走
事故を起こした貨物列車は5日夜、乗組員の交代をするため、原油を満載したタンカー72台を連結した状態で現場から約11キロ離れた場所に停車していたという。しかし、6日未明ごろ、何らかの原因で町に向かう下り坂を走り始めて脱線した。
脱線して暴走状態となった列車は、人口6千人のラックメガンティックの中心部に突っ込んで爆発・炎上。連結されたタンカーが次々と引火し、6日朝までに5~6回の大爆発が発生、一帯の住宅や建物などが多数破壊された。カナダのハーパー首相は現地時間7日に現場に入り、「まるで戦場のような光景で信じがたい災害だ。まだ数多くの行方不明者がいる。事故原因の究明を徹底的におこなう」と記者会見で述べた。行方不明者が100人にのぼるという報道もあり、犠牲者の数はさらに増える見通しだ。
CNNによると、列車が暴走した原因は不明だが、警察は「犯罪の可能性も排除していない」としているという。また、安否確認のため開設されたフェイスブックのページには1万7000人以上が登録し、友人や家族についての情報を求める投稿や、自分たちの無事を伝える投稿などがあふれていると報じている。アメリカからも150人の消防士が応援に駆けつけ、現場の消火にあたったという。