ル・マン24時間レースがスタート ポルシェとアウディが競り合う展開に(画像集)

フランスのサルト・サーキットで13日午後3時(日本時間午後10時)、第83回ル・マン24時間レースがスタートした。
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フランスのサルト・サーキットで13日午後3時(日本時間午後10時)、第83回ル・マン24時間レースがスタートした。ティモ・ベルンハルトがドライブするポルシェ919ハイブリッド」の17号車は、ポール・ポジションを獲得したポルシェ18号車を1周目でパス(計画にはなかったそうだが)。レースをリードし始める。2台のポルシェにアウディR18 e-tron quattro」の7号車と9号車が続き、5位にポルシェ19号車、6位にアウディ8号車と、ドイツの2チームが拮抗。トヨタTS040ハイブリッド」の2台が彼らを追う。

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レース1時間が過ぎた頃、LM-GTEクラスのポルシェ 911がエンジンブロー。洩れたオイルに乗りコースアウトするマシンもあり、ペースカーがコースを先導することに。20分ほど中断した後、レース再開。セーフティカーの後ろで差が詰まっていた上位のマシンはいきなり戦闘モード。まるでアウディの切り込み隊長のようにアンドレ・ロッテラーが乗る7号車が、先行する2台のポルシェを追い回す。トップの17号車を逃がし、18号車のポルシェがアウディを防戦。これからまだレースは22時間以上も残っているにも関わらず、3台がスプリント・レースのようなテール・トゥ・ノーズの戦いを繰り広げる。

一時はロッテラーのアウディ7号車が2台のポルシェをまとめてオーバーテイクし、ついにトップに立つも、レース開始から2時間半ほど経った頃、ピットアウトした7号車がたった3周走って再び緊急ピットイン。タイヤのパンクだったそうだ。これで6位まで順位を下げる。それでも2台のトヨタより前だ。前輪駆動を採用し注目を浴びていた日産の「GT-R LM NISMO」は、コース上ではポルシェやアウディに簡単に抜かれ、周回遅れにされてしまう。ラップタイムは上位のマシンより20秒以上も遅い。まるでクラスが違うクルマのようだ。さらにその1台、23号車はクラッチ・トラブルで出遅れた。

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レース開始から3時間、アウディ8号車がLM-GTEのマシンをパスしようとしたときに接触してコースアウト。ガードレールに激突して壊れたマシンをロイック・ディパルがピットまで運び、修復作業へ。ガードレールも直すためにセーフティカーが入り、再び3台のポルシェと2台のアウディ各車の差が詰まる。6位と7位のトヨタは少し離されている。その間にLM-GTEクラスでトップを走っていた95番のアストンマーティンがピットに籠もる。トラブル発生か。

約40分の中断後にレース再開。ブノワ・トレルイエの乗るアウディ7号車がポルシェ18号車の前へ。修復のために周回遅れとなっていたアウディ8号車がこのタイミング狙ってダッシュを掛ける。

市販スポーツカーをベースとするGTEクラスは、アストンマーティンに替わってトップを走っていた71番フェラーリを、97番アストンマーティンと64番コルベットが抜く。そのままの勢いでコルベットがクラストップへ。99番アストンマーティンも含めた4台が激しいバトルを繰り広げる。

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レースは4時間が経過した頃、17号車ポルシェが依然としてトップ。予選より4〜5秒遅いペースで走るポルシェにはだいぶ余裕があるのか、ライバルたちより1周長く走ってから給油する。アウディは緊急ピットインの7号車、クラッシュした8号車に替わり、今度は9号車が2位。7号車も3位につけている。タイヤはアウディの方がポルシェより1スティント(給油のためにピットインするまでの周回を1スティントと呼ぶ)多く保つようだ。同一周回で18号車と19号車、2台のポルシェが追い、さらにトヨタの2台が続く。

17号車ポルシェが前車からオイルを浴びてワイパーを動かしている間に、9号車アウディに乗るフィリップ・アルバカーキーが3分17秒647という予選より速いタイムを叩き出し、トップとの差を一気に詰める。手に汗握るも、9号車がピットに戻り、バトルは終了。しかし、ここでタイムを稼いだことから、その後17号車ポルシェがドライバー交替などをする間にトップに立つ。

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スタートから5時間が過ぎる頃、日産の21号車に電気系のトラブルが発生。シフトアップができないという。修理に時間が掛かり、順位を下げる。

同じ頃、ルーティーンのピット作業を終えた18号車のポルシェが、たった6周走っただけで再びピットへ。タイヤを交換してコースに戻る。ドライバーがスローパンクチャーしたと感じたらしい。

突然、フロント周りを壊したトヨタ1号車が画面に映る。ドライバーはアンソニー・デビッドソン。そのまましばらく走っていたが、修復のためにピットイン。右フロントと左リア・サスペンションを直し、中嶋一貴選手が乗ってコースへ復帰する。ピットで掛かった時間は15分ほど。9位に順位を落とす。

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スタートから6時間半。トップは元F1ドライバーのマーク・ウェバーが乗るポルシェ17号車が奪い返した。2位のアウディ7号車には無線にトラブルが発生。3位のアウディ9号車まで、その差はわずか30秒ほど。まだこの辺りの順位はピットインの度に変動する。4位と5位にポルシェの18号車と19号車が続き、さらにクラッシュから復活したアウディ8号車が追い上げる。トヨタは2号車が7位、1号車が9位。日産は22号車が20位。トラブルに見舞われた23号車が41位で、21号車が42位。

レース開始から7時間が過ぎたとき、4位を走っていたロマン・デュマが乗るポルシェ18号車がコースを外れフェンスに追突。大きなトラブルかと思いきや、そのままピットまで走り切り、フロントカウルとタイヤを交換しただけでコースへ復帰。アウディ8号車の前で、つまりチーム・メイトに順位を1つ譲っただけで、レースを続ける。

ル・マンの街は日も落ちて、これから夜のレースになる。アウディとポルシェはスタートからずっと激しい戦いを繰り広げており、このどちらかが優勝する可能性が色濃くなりつつある。が、まだこれから何があるか分からない。現在のところ、リタイアしたのはGTEクラスの2台のみ。残る53台のうち、何台のマシンが無事にコース上で朝を迎えることができるだろうか。

Photo Hideyuki Nakano

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