地域の課題を世界に共有するクリエイティブを

無償で地域の情報を発信する代わりに、自分たちのやりたい表現を作品に込め、海外のアワードを狙う。そんな座組で「KUROKAWA WONDERLAND」は制作されました。
|

Open Image Modal

地域から直接海外に向けての情報発信が可能な時代となり、実際にそういったアプローチをとる事例も現れ始めています。その中でも注目の事例は「KUROKAWA WONDERLAND」です。

東京都内在住の映像・WEB・音楽・写真などの様々なクリエイターたちと、阿蘇南小国町・黒川温泉郷による世界へ向けた合同ポートフォリオ制作企画である「KUROKAWA WONDERLAND」は、海外アワードを狙って制作されました。

4月に公開して以降、現在までに映像に関する海外のアワードを5つ、WEBに関する海外のアワードを4つ受賞しています

地域資源を活かすためにクリエイターの力を最大限発揮

「KUROKAWA WONDERLAND」の制作では、ウェブサイトはLetters。映像はEXIT FILM。音楽は.queが担当。こちらがメインの映像です。

黒川温泉という土地の魅力を伝えるために、様々な表現が用いられています。映像や音楽も素敵で、ウェブサイトでも黒川という土地のことを伝えるビジュアルとテキストが散りばめられています。

Open Image Modal

作品の制作を通じて見つける地域の魅力

東京でも活躍しているクリエイターたちが、無償で地域の情報を発信する代わりに、自分たちのやりたい表現を作品に込め、海外のアワードを狙う。そんな座組で「KUROKAWA WONDERLAND」は制作されました。

「仕事」として制作したものではない、それが良い影響をもたらした。そんな印象を受けます。先日、東京で「KUROKAWA WONDERLAND」のリリースを記念したイベントが開催されました。その中で制作プロセスや裏側をまとめた映像が発表されていました。

この映像からは黒川の人たちと東京のクリエイターの人たちがこの「KUROKAWA WONDERLAND」というプロジェクトに対する熱意が伝わってきます。ちょっと長いですが、ぜひ観てほしい映像です。

地域の人にとっては、「土地を開いていく」ことを目的に。クリエイターにとっては地域の課題を世界に共有するためにクリエイティブの力を発揮する。

こうした動きが日本各地で増えていくと、地域の魅力が世界に、そして日本に発信されるだけではなく、関わった人々の意識を変えていくことにつながっていくのではないでしょうか。

きっと「KUROKAWA WONDERLAND」というプロジェクトは、多くの人の心に火を点けるはずです。

(2015年6月15日の「マチノコト」より転載)