避難所や車の中での暮らしに区切りをつけたいが、強い地震のトラウマで、子供が家に帰りたがらない。どうすれば…。
そんな被災地の家庭向けの絵本「やっぱりおうちがいいね」が作られ、熊本市の公式サイトで公開された。
ストーリーを考えたのは、障害のある子供の支援をする熊本市子ども発達支援センターの所長で医師の木村重美さん。保育士の細郷幸美さんが子供向けの文体に仕上げ、やはり保育士の川嶋久美さんが絵を描いた。
木村さんはハフポスト日本版の取材に「主に発達障害があったり、その疑いがあったりするお子さんについての相談に乗っている部署なので、地震があってから『揺れで物が落ちるなどの恐怖で、子供が家に帰れない』という相談が最近多くなりました。週明けには公立の小学校や保育園も再開するので、家が無事だった方は、一人でもおうちに帰れるようにと、注意点を絵でわかりやすく絵本にしてみました」と述べた。
木村さんによると、ポイントは以下の通り。
・慣れた環境に戻す
「お気に入りのぬいぐるみなど、身近なものを持たせてあげるといいかもしれません」
・安心できるスペースをつくる
「物が落ちてこないような場所を示してあげてください」
・見通しを示す
「今回は余震が続いていますので、次に余震があった場合など、どうすればいいかの見通しが、子供にもわかるようにすることが大事です」
「まず玄関から中に入れない、そして今回の地震は夜に強い揺れが来たので、夜に不安になって泣いてしまったり、車に戻りたくなったりする子が多い。まずは家に帰り、夜に家で安心して過ごせるようになって頂きたいというのが、この絵本の狙いです」
基本的にネット上のみでの配信だが、事情があってネット利用が難しい熊本市内の人にはプリントして配布することもできるという。
熊本市の大西一史市長は、絵本を紹介するツイートのあと、こう述べている。
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