アメリカの白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン」(KKK)は、武器を所持していない黒人少年に発砲し死亡させた警官のために募金活動を行っているという。アメリカ・アラバマ州の人権団体「南部貧困法律センター」からのレポートで判明した。
同センターの人種問題監視ブログ「ヘイト・ウォッチ」によると、KKKのミズーリ支部は、黒人少年マイケル・ブラウンさんを射殺した警官に「報酬」を与えるため、募金活動をしているという。
「南部貧困法律センター」によると、サウスカロライナ州にあるKKKの関連組織「ニュー・エンパイア・ナイツ」から送信されたメールには、「このチンピラを撃った警官への報酬/援助金を工面中です」と書かれているという。
「彼はヒーローだ。我々にはもっと彼のような反ZOG(シオニストが支配する政府)で、ユダヤ人にコントロールされている黒人のチンピラを成敗する白人の警官が必要なのです。警官のほとんどは臆病者だ。異人種犯罪の9割は、白人が黒人そして白人以外から受けるものなのにもかかわらず、何もしない」。
「南部貧困法律センター」は、「ブラウンさんの射殺事件がきっかけとなって社会が混乱したことに、KKKが飛びついたのでしょう」と語る。
「南部貧困法律センター」によると、KKKのある支部のブログには、「マイケル・ブラウンは、ただのチンピラに過ぎないことは明らかだ」と記されているという。
「メディアなどでは立派でよくできた少年のように報じられてる。ミズーリの黒人たちは暴動を起こし、暴力で彼に対する敬愛の情を表現している。よくあることだ」。
普段は平穏なセントルイス郡ファーガソンは、ブラウンさんの死が巻き起こした暴動に驚愕している。
ファーガソンでは暴動鎮圧の警備隊が配置されている。
自動小銃を丸腰の市民に向ける武装隊の写真がアメリカの警察がいっそう軍隊化していることがよく分かる。
現場で取材にあたったハフポストUS版の記者は、大半の抗議者は平穏で多くはシンボリックに手を上げていた(射殺時にブラウンさんは両手を上げて無抵抗の意志を示していた)にもかかわらず、際限なく催涙ガスや発煙弾を浴びせられ、息も出来ない状態だったと語っている。
ファーガソンは13日の夜暴動鎮圧のため催涙ガスやゴム弾、そして完全武装した特別機動隊(SWAT)や武装車両で埋め尽くされた。
しかし、一転して14日夜には州警察や地元警察がでも抗議者たちと一緒に歩き、握手をかわしている。
4夜にわたって続いた暴動後、アメリカ各地で多くの人々がブラウンさんの冥福を祈る中、ようやく警官たちはブラウンさん死亡事件の抗議者との和解にこぎつけた。しかし現在は、ブラウンさんの犯罪歴を示す防犯ビデオが警察から公開され、再び緊張が高まっている。
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