『ベルサイユのばら』風のキャラ、広報に掲載した札幌市が謝罪。「モチーフにしてないが結果的に…」

オシカルとマナー・シラントワネットが登場
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「広報さっぽろ」6月号の表紙より
札幌市

札幌市の広報誌に登場したキャラクターが、人気漫画「ベルサイユのばら(ベルばら)」そっくりとして作者から抗議を受けた。札幌市は「誤解を招く表現となりました」と謝罪した。

問題となったのは市内の95万世帯に配布された「広報さっぽろ」6月号。「公共マナーって何かしら?」という7ページを使った巻頭特集で、「ベルばら」のマリー・アントワネットに似た「マナー・シラントワネット」という女性が登場した。

公共マナーを無視した行動を繰り返す彼女に、指導役の「オシカル」という「ベルばら」の主人公「オスカル」によく似たキャラクターが自転車の正しい乗り方や、ごみ捨てのルールについて注意するという内容だった。特集ページ内にはバラの模様が散りばめられている。

■「著作権侵害」と抗議を受ける

これに対して、「ベルばら」作者の事務所「池田理代子プロダクション」が「キャラクターが酷似していて著作権侵害だ」と札幌市に抗議した。

札幌市広報部によると、市内在住のファンからの指摘を受けた池田プロが「著作権違反だ」と市役所に抗議。札幌市は広報部長ら2人が直接事務所を訪れて謝罪。配布中の7月号の広報誌などで市民に向けて、以下のような謝罪文を掲載した。

<広報さっぽろ6月号「公共マナーって何かしら?」の特集記事が漫画「ベルサイユのばら」を想起させるというご指摘をいただきました。このご指摘を真摯に受け止め、誤解を招く表現となりましたことについて、深くおわび申し上げます。>

札幌市広報部の担当者は、ハフポスト日本版の取材に対して以下のようにコメントした。

「市民の方に公共マナーについて親しんでもらうために、世間知らずなお姫様のキャラクターを出すことをデザイン会社の方と考えました。『ベルサイユのばら』をモチーフにしたわけではなかったのですが、キャラクターの名前であったり、バラの模様であったり、結果的に『ベルサイユのばら』をイメージさせる表現になったことを深く受け止めています。営利目的ではないことなどを説明し、池田プロからは事後承諾という形で認めていただきました」

■「ベルサイユのばら」とは?

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「ベルサイユのばら」最新第13巻の表紙(マーガレットコミックス)
集英社

発表から40年以上経っても根強い人気を誇り、「少女マンガの金字塔」とも言われる。

知恵蔵miniによると、フランス革命における史実をもとにしたフィクションで、1972年~73年まで「週刊マーガレット」(集英社)で連載された。

1979年~80年には日本テレビ系列などでテレビアニメが放映され、90年には劇場版アニメ「ベルサイユのばら 生命あるかぎり愛して」が公開された。また、宝塚歌劇団により舞台化され大ヒットし、同劇団の看板演目ともなっている。

2013年4月20日発売の「週刊マーガレット」誌上で、40年ぶりに池田理代子による新作が発表された。