強烈なアイドルファンの呆れた行動で、乗客360人全員が飛行機から降りるハメに。

最初からソウルに向かうつもりではなかった。
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大韓航空の旅客機。2018年8月30日、韓国・仁川。
Getty Editorial

強烈なアイドルファンの行動が原因で、離陸直前に360人の乗客全員が飛行機を降ろされ、再び荷物検査を受ける羽目になった。

事態が起きたのは、12月15日の香港国際空港。ソウル行きの大韓航空の旅客機が離陸準備をしていた。すべての乗客が搭乗を終えて離陸を待っていたその時、20代の乗客4人が「飛行機から降りる」と急に払い戻しを要求した。彼らはそれぞれファーストクラス2席、ビジネス1席、エコノミー1席を予約していた乗客だった。

彼らが払い戻しを要求したのは、最初からソウルに向かうつもりではなかったためだ。

YTNの報道によると、彼らは中国人3人と香港人1人だった。12月14日、香港で開かれた「2018 Mnet Asian Music Awards(MAMA)」に参加したアイドルグループのファンだった。4人は最初からソウルに向かうつもりはなかったが、好きなアイドルグループと離陸直前までの時間を同じ空間で過ごすだけのために、飛行機の座席を予約したのだ。

しかし、払い戻しさえすれば済むことではなかった。

規定上、離陸直前の飛行機から乗客が降りると、すべての乗客が再び保安検査を受けなければならない。降りた乗客が危険な物品を飛行機に置いていったかもしれないからだ。

アイドルファンの乗客はこのような事実を知らされても払い戻しを要求し、そのまま飛行機を降りた。

結局、飛行機に搭乗した360人の乗客全員が降り、再びセキュリティチェックを受けた。払い戻しを要求したファンが愛するアイドルグループのメンバーも一緒に降りてチェックを受けたという。飛行機は1時間遅れで離陸した。

大韓航空は航空料金を払い戻しただけでなく、離陸遅延による費用を香港国際空港に支払ったという。通報を受けた香港警察は、乗客に対する物理的被害がないという理由で、払い戻しを要求したアイドルファンを調査しなかった。

朝鮮日報によると、今回のように、アイドルを一目見るためだけに航空券を購入し、離陸直前に払い戻すケースは過去にも起きている。払い戻しの手数料がほとんどないことを悪用し、ファーストクラスの航空券を購入するケースが横行している。

こうした事態に、航空会社は対策に乗り出した。

大韓航空は、19年1月1日から国際線で出国審査後に搭乗をキャンセルした乗客に対して、違約金を20万ウォン(約2万円)追加で課することを18日発表した

現在、大韓航空は予約キャンセルせずに搭乗しなかったり、搭乗手続き後に乗らなかったりした乗客に対して、長距離路線は12万ウォン(約1万2000円)、中距離路線は7万ウォン(約7千円)、短距離路線は5万ウォン(約5000円)の違約金を設定している。

大韓航空の関係者は「今回の予約不渡り違約金制度の補完施行により、健全な搭乗文化を定着させ、予約不渡りによって搭乗の機会を逃した顧客のフライト利用機会が拡大するものと期待される」と述べた。

ハフポスト韓国版から翻訳・編集・加筆しました。