日本政府が南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加している韓国軍に対して、陸上自衛隊の銃弾およそ1万発を提供したことに関して、韓国政府は「銃弾は不足していない」と日本側と矛盾する説明をしていることが明らかになった。12月24日、NHKニュースが次のように報じた。
韓国国防省の報道官は24日の記者会見で、ボルの数十キロ北で双方の部隊がにらみ合っており、戦闘は止まっていると、現地の状況を明らかにしました。そのうえで、銃弾の提供を求めた理由について、「状況が長引く可能性に備え、予備として確保するため臨時に借りた。不足はしていない」と述べて、当面必要な銃弾は所持していると説明しました。
(NHKニュース『韓国の説明に食い違い「銃弾不足なし」』12/24 15:43)
日本側の説明では、南スーダンの施設を警備する韓国軍に銃弾が不足しており、提供がなければ現地の避難民の生命に危険が及ぶ可能性が高いと国連が判断。国連と韓国が日本に提供を要請したという。日本の菅義偉官房長官は同日の記者会見で、韓国政府の説明に以下のように反論した。
「日本政府には国連、韓国から要請があった。それが全ての事実だ」と述べた。銃弾提供後、国連から日本政府に謝意が示され、現地の韓国軍からも自衛隊に謝意の表明があったことも明らかにした。
(MSN産経ニュース『銃弾提供「韓国から要請あった」 菅長官、韓国報道官発言に反論』2013/12/24 14:56)
NHKニュースでは、韓国政府の狙いについて「国内での批判をかわすためではないか?」という分析している。
韓国では、今回の事態について、軍の見通しの甘さが、韓国で反発の強い安倍政権の安全保障政策を後押しすることになったという批判の声が上がっており、報道官の発言はこうした批判をかわすねらいがあるものとみられます。
(NHKニュース『韓国の説明に食い違い「銃弾不足なし」』12/24 15:43)
【※】「武器輸出三原則」の例外措置として日本が韓国に銃弾を提供するという異例の事態。韓国政府が、日本側と矛盾する説明をしていることをどう考えますか?コメント欄にご意見をお寄せください。
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