「鏡を見る娘にアテレコ」心臓病の赤ちゃんとの日常、マンガにしてみた

先天性の心臓病がある娘。パワフルで愛おしい子どもの日常をマンガに描いているパク・ジニさんに話を聞いてみた。
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親にとって、子どもの成長は奇跡のようなものだ。病気がある子どもの母親にとっては尚更そうだ。

パク・ジニさん(@ggyul_p)は先天性の心臓病がある15カ月の娘・トゥブちゃんを育てながら、パワフルで愛おしい子育ての日常をマンガで描いている。

「パワーあふれるBaby」ママのほっぺを手で挟んでチューする娘・トゥブ

5月に初投稿したこのイラストを皮切りに、トゥブちゃんの日常生活を公開してきたジニさん。フォロワーは3カ月で約3000人に増えたという。ジニさんに話を聞いてみた。

――Instagramに連載中の「日常マンガ」はどんな内容ですか?

15カ月の赤ちゃんと15カ月の新米ママのささいな日常を描いています。昨日と違う赤ちゃんの行動だけでも、1作品にできます。本当にささいな話です。

大人の真似をする娘・トゥブ。「日々、大きくなるあなたの姿が、不思議で、けなげで、ありがたくて、感謝してる...」

トゥブ「ふぅ...最善を尽くした1日だった!」

――お子さんの話をマンガで描くようになったきっかけは?

写真や映像の代わりにマンガで描けば、もっと意味があるんじゃないかなと思って、始めてみました。心臓に病気があるトゥブですが、こんなに元気に過ごしていると、皆さんに知らせたい気持ちもありました。

――お子さんが産まれる前にもマンガを描かれていましたか?

幼い頃から、夢は漫画家でした。本になるようなマンガを描きたくて公募展にも応募してみました。結果はダメでしたが。結婚と出産、育児で遠ざかるほかなかったのですが、トゥブを通して、短いながらも、成し遂げられなかった夢への思いを解消しています。

トゥブ「400日間、一生懸命生きてきた私!お疲れ様!」 両親「ああっ!眩しい!!」

「君はとても愛らしいけど、ママもママだけの時間が必要...」すやすや眠る子どもを前に、騒ぎたい気持ちを抑えて心の中で喜ぶママ(ミュートモード)

――現在のお子さんの体調はいかがですか?

トゥブを妊娠しているとき、精密検査で彼女の心臓が正常ではないと知り、大学病院で子どもを産みました。まだ記憶が鮮やかですね。病院にいた夫婦は皆さん幸せそうでしたが、私たち夫婦だけ泣いていました。

最初の手術は、生まれてすぐに受けなければなりませんでした。ただ、ありがたいことに、悪くない状態で初手術を乗り越えられました。2016年9月、(トゥブが)4カ月頃に手術を受けました。

前回の診察の時に、主治医から健康な子どもの心臓と同じだという話を聞いて、胸が詰まりました。嬉しかったです。今後、3、4歳になる頃にまた大きな手術を受ける予定です。

インタビューの質問のうち、この設問に応じてもいいのだろうか、しばらく悩みました。病気がある赤ちゃんを全面に押し出し、目立たせているようで。病気は自慢ではありません。トゥブが病気なのを恥ずかしがったり、悲しまないようにとの思いから描きはじめたことを思い出しました。

主治医に「健康な子どもの心臓と同じ」と伝えられた、病院からの帰り道。タクシー運転手から「大きいですね!子育てなさって、お疲れでしょうね〜」と言われる。平凡で何気ない会話に感謝した一日。

――トゥブちゃんはどんな子どもですか?

この年の子どもがそうであるように好奇心旺盛。かつ、寝ていても母が横にいないと分かると起きて探し始めるくっつき虫です。人見知りもなく、初めて会うおばあさんにもよく抱っこされます。赤ちゃん用のおもちゃを準備しても、母のタブレットペンやマウス、リモコンがもっと好きな子なんですよ。

――マンガを通して、どんなメッセージを伝えたいですか?

トゥブとの日常を新たな方法で記録したいという個人的な意味が大きかったのですが、(私の基準からは)すでに多くの方々が見てくださっていて。そのおかげで、コミュニケーション能力も話術もない私が、子どもを育てるお母さんたちとやり取りできるようになりました。

子どもはとても愛しいですが、いつも楽しいとは限らないじゃないですか。ママも人間ですしね! 15カ月の赤ちゃんと新米ママですが、今この瞬間、自分を責めているママがいるなら、「そんなことない、うまくやっている」と慰めてあげられるような作品になっていればと思います。

「私ってとっても可愛いみたい!」「なんでこんなに愛らしいの〜〜?!」

可愛さあまって、鏡を見る娘にアテレコしてしまう母。(鏡見てるだけなのに、変なアテレコしないでよ💢)

――これからはどんなイラストを描きたいですか?

ある日、「これはあんまり面白くない」と呟く私に、隣にいた弟が「それだと負担になって、これからは描くのがもっと大変になるのでは」と話してくれました。その言葉が、あっているみたいです。

トゥブはこれから、病院生活を送るようになる日もあるでしょうが、その時まで私は今まで通り、トゥブとのささいな日常を描いていくつもりです。

最後に、韓国社会が病気のある子どもにおおらかで、暖かい目で見守ってくれることを願います。

ジニさんのマンガはInstagramで確認できる。

ハフポスト韓国版より翻訳・加筆しました。