韓国政府は外国人観光客を対象に、MERS(中東呼吸器症候群)保険を無料で提供する計画だ。韓国に滞在中の外国人観光客がMERSに感染した場合、国が治療費などを負担するというものだ。韓国国内での患者数が拡大し、観光業にも影響を与えていることを受けての対応だが、国内からは「不公平だ」という声が挙がっている。
■MERS保険とは?
アメリカのワシントン・ポスト紙の6月16日付の記事によると、政府は外国人に対して、無料で入れる保険に入るよう案内するという。外国人観光客が韓国に滞在中にMERS感染した場合には、旅費と治療費を負担するほか、さらに3000ドル(約37万円)の特別支援金を出す。もしMERSで死亡した場合は、1億ウォン(約1100万円)を支払うというもので、22日から実施するという。
■韓国国内から批判の声
この新しい政策について、韓国国内からは批判の声が挙がっている。韓国KBSは、次のように報じた。
「そんなことで外国人観光客の考えが変わると思っているのなら、それこそ机上の空論です。この政策によって、世界の人々はむしろ『あんな保険商品が案内されるなんて』と、不安にならないでしょうか。
また、この政策は公平性の観点からも問題があります。韓国民がMERSで死亡した場合、家族には葬儀代もしっかり払われていないのが実情なのです。外国人観光客だけに特別支援金を出すというのを知って、患者の家族はどう感じるでしょう。
今、観光客に必要なのは補償金の話ではないのです。MERSを収束させたとする宣言なのです」
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