韓国南西部沖で修学旅行中の高校生らが乗った旅客船「セウォル号」が沈没した事故で、朴槿恵大統領は21日、船長のイ・ジュンソク容疑者(69)と乗員の行動について「殺人行為に等しい」と非難した。聯合ニュースが伝えた。
目撃者らは、イ容疑者を含む一部の乗員が、乗客より先に船から脱出したと話している。聯合ニュースは大統領が側近に対し、「船長と一部乗員の行動は常識では理解し難く、許されるべきではない殺人のようだ」と述べたと報じた。
事故ではこれまで64人の死亡が確認され、依然として238人が行方不明となっている。イ容疑者と乗員2人は19日に逮捕され、21日はさらに乗員4人が逮捕された。
事故発生当時の交信記録によると、管制センターはイ容疑者に対し「乗客を避難させる最善の方法を考えるよう」伝え、「避難すべきかどうかの最終的な判断は船長が下すよう」指示した。
韓国のテレビ局OBSによると、イ容疑者は2010年の宣伝用ビデオで、乗員の指示に従っている限り乗客は安全だと発言していた。
乗員乗客476人を乗せた同船は16日、南西部の沿岸から約20キロの沖合で転覆。目撃者の話では、急旋回後に大きく傾き沈没した。乗客には、修学旅行で済州島へ向かっていた生徒や教師ら339人が含まれていた。転覆の理由は明らかになっていない。
[珍島(韓国) 21日 ロイター]
関連記事