韓国南西部の珍島沖で起きた大型旅客船「セウォル号」の沈没事故で、船に閉じ込められた行方不明者を捜索していた民間の潜水士1人が5月6日、死亡した。潜水士の死亡は事故3週間で初めて。
ハフィントンポスト韓国版によると、官民合同救助チームが捜索を再開した5月6日午前6時ごろ、50代の潜水士が作業中に意識を失い、ヘリで病院に移送されたが死亡したという。
ダイバーは作業開始後、5分ほどで地上との通信が途絶えたという。水深25mの地点でダイバーの呼吸が急に異常を来したため、海軍の潜水要員が引き揚げ、救急救命措置を施したが意識が戻らなかったという。ダイバーは政府と契約している民間の海洋会社に前日雇われ、事実上この日初めて作業に投入されていた。
こうした中、朴槿恵大統領は、旧暦で釈迦の誕生日として国民の休日になっている5月6日、ソウルの寺院で開かれた奉祝法要に参席した。「国民の命を守る大統領として、若い生徒と、家族を突然失った遺族の皆様に何とお見舞いを申し上げていいか、申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と謝罪した。
朴大統領は「今度の犠牲が無駄にならないよう、国民の安全と声明を守れるよう、すべての国家政策と組織構造を根本的に変える。そして二度とこのような悲劇が起こらないよう、安全な国をつくるために総力をあげる」と強調した。
聯合ニュースによると、歴代大統領でこの法要に参席したのは初めてで、セウォル号の事故対応で国民の批判が大統領自身に向かう中、冥福を祈る姿をアピールしたかったとみられる。「『利己心のために正義に背を向けるな』とおっしゃったお釈迦様がおっしゃったように、韓国社会のあちこちに根付いている不条理と腐敗を正し、正義を打ち立てられるよう国民の皆様の力を合わせていただきたい」と要請した。
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