韓国総選挙、与党まさかの過半数割れ 朴槿恵大統領の求心力低下は必至(UPDATE)

朴槿恵大統領の国政運営基盤は弱まり、景気の失速や若年層の高失業率など、様々な難題を抱える朴政権の求心力低下は避けられない見通し。
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MEXICO CITY, MEXICO - APRIL 04: Park Geun-hye President of South Korea looks on during a conference at Palacio Nacional on April 04, 2016 in Mexico City, Mexico. (Photo by Miguel Tovar/LatinContent/Getty Images)
Miguel Tovar/STF via Getty Images

韓国の国会議員総選挙(一院制、定数300)は4月13日、投開票され、当初優勢とみられていた与党・セヌリ党が過半数を割り込み、第1党の座からも転落。予想外の敗北を喫することが確実となった。聯合ニュースなどが報じた。

任期満了まであと2年弱を残した朴槿恵大統領にとっては大きな打撃となった。国政運営の基盤は弱まり、政権終盤の求心力低下が避けられない見通しだ。

朴大統領が安倍晋三首相と2015年末に合意した慰安婦問題での基金設立など「最終合意」も、最大野党「共に民主党」は見直しを訴えており、今後の合意履行に選挙結果が影響を及ぼす可能性もある。

■与党「公認巡る内紛」「経済政策の失敗」で敗北

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選挙遊説中の金武星・セヌリ党代表

選挙戦は当初、与党セヌリ党の勝利とみられていた。景気の失速や若年層の高失業率など、そもそも与党の経済政策への不満は有権者に根強かったが、最大野党「共に民主党」が主導権争いの末に分裂。多くの小選挙区で野党同士が争う構図となった。当初の韓国メディア各社の情勢調査では、与党が過半数を大きく上回っていた。

しかし、公示直前になって、朴槿恵大統領と距離を置く現職議員らが多数、セヌリ党の公認を外された。公認作業に異議を唱えて争ったり、公認を外された有力政治家が離党して野党入りしたり無所属で闘ったりするなど、与党の内紛劇がメディアで大きく報道され、無党派層のイメージを大きく落とした。

特に、小選挙区の議席が多く、無党派層の多い首都ソウルで、野党「共に民主党」が与党を圧倒した。野党「共に民主党」の金鍾仁・非常対策委員会代表は「セヌリ党の経済政策の失敗がどれほどひどかったかを、国民が審判した」と評価した

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4月13日、支持者と握手する安哲秀氏

「2大政党政治の終焉」を掲げて「共に民主党」から分かれた、元IT企業経営者の安哲秀(アン・チョルス)氏の「国民の党」は、故・金大中元大統領の地盤だった南西部の全羅道で圧勝したほか、比例区でも「共に民主党」とほぼ肩を並べるなど、存在感を示した。安氏は2012年の前回大統領選挙で有力候補として期待されながら、野党候補の単一化のために立候補を辞退しており、次回の大統領選に向けて大きな追い風を得た。