韓国で販売された加湿器の殺菌剤により200人以上の死傷者が出た、いわゆる「家の中のセウォル号」事件で、ソウル中央地方検察庁は5月14日、殺菌剤を製造・販売したイギリスに本社を置く「レキット・ベンキーザー」社韓国法人の元代表ら3人と別の会社の代表1人を業務上過失致死傷の疑いで逮捕した。朝日新聞デジタルなどが報じた。この問題で関係者が逮捕されたのは初めて。
NHKニュースによると、この問題は、2001年から2011年に韓国で販売された、加湿器に使用する殺菌剤に含まれてていた殺菌剤によって、乳児らが被害を受けたもの。韓国政府は、被害者は221人でそのうち95人が死亡したと発表している。
韓国で販売されたオキシー・レキットベンキーザー社の加湿器殺菌剤
およそ10年間にわたって有害な化学物質、PHMG(ポリヘキサメチレングアニジン)入りの殺菌剤が販売されていたにもかかわらず、対応を怠った政府に対する批判の声も高まっている。こうした政府の不作為を、修学旅行中の高校生ら300人以上が犠牲になった旅客船セウォル号の沈没事故になぞらえ、韓国では「家の中のセウォル号」とも呼ばれている。