韓国は中国の属国に回帰するのか?

かかる状況下、国民として頼りになるのは今回の様な議員外交であり、その実践と外交最前線の状況を記事に取り纏め伝えて戴く事は大変ありがたい事である。重要なテーマであり、今回参照の記事をベースに「韓国は中国の属国に回帰するのか?」に至った経緯と、今後の展開について論考を試みたい。
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China's President Xi Jinping (L) shakes hands with his South Korean counterpart Park Geun-Hye (R) prior to a summit meeting at the Blue House in Seoul on July 3, 2014. China's president arrived in Seoul for a state visit seen as a snub to Beijing's traditional ally North Korea, whose nuclear weapons ambitions will dominate talks with South Korean leader Park Geun-Hye. AFP PHOTO / Ed Jones / POOL (Photo credit should read ED JONES/AFP/Getty Images)
ED JONES via Getty Images

自民党所属の衆議院議員、鈴木馨祐氏執筆の、韓国は日米から中国へ舵を切ったのか?を拝読。二つの理由から高く評価したい。第一は、韓国の対中接近というデリケートなテーマにアメリカ政治家との議論も踏まえ大胆に切り込んでいる点。

しかし、今の国際環境のもとで日米の側に明確に立ってきたこれまでの数十年間の立ち位置を中立といえども中国寄りに移すとなれば、それは東アジアのバランスを大きく変えるのみならず、韓国自身にとっても歴史上長くそうであったような中国の影響下の格下の衛星国に戻ってしまう可能性すらはらむ極めて危険な選択といわざるを得ません。

地政学的にいえば、アメリカや日本は韓国との関係をあくまで対等な同盟国とする以上のインセンティブも無ければ能力もない一方で、中国にとっての朝鮮半島は意味合いが歴史的にも全く異なるという点を韓国自身も冷静に判断する必要があるのではないか。もちろん日本としてどうこう言う筋合いのことではありませんが、アメリカの政治家との議論の中でも若干出てきたテーマでもあり、ここに書かせていただいたところです。

今一つは、根本的な話となるが、韓国の仕掛けた反日プロパガンダ・ウォーに完敗した外務省で説明した通り、外務省は全くといって良いほど頼りにならない。かかる状況下、国民として頼りになるのは今回の様な議員外交であり、その実践と外交最前線の状況を記事に取り纏め伝えて戴く事は大変ありがたい事である。重要なテーマであり、今回参照の記事をベースに「韓国は中国の属国に回帰するのか?」に至った経緯と、今後の展開について論考を試みたい。

韓国の基本戦略

北東アジアで中国と地続きの朝鮮半島にあって、韓国は北朝鮮というならず者国家、テロ国家と38度線で対峙するといった特殊な状況に置かれて来た。そして、防衛はアメリカに丸投げする事で安全保障に係るコストは極力削減しようとして来たと思う。一方、経済発展のために巨大な国内市場を持つ中国への接近は加速した。こうやって、対米、対中関係を強固にした上で、日本を徹底的に叩こうとしていたと推測する。

韓国の対日基本戦略

歴代政権の対日基本戦略は事の是非は別としてそれなりに一貫している。基本的には対日プロパガンダウオーに勝利するというものである。今少し具体的に説明すると、従軍慰安婦問題を口実に日本を叩きまくる事で外交的ポジションを構築する。偽りであっても、日本を叩き、国際社会で日本を貶める事により韓国国民が一時的なカタルシスを得、結果支持率向上に繋げる。最後は、1965年の日韓基本条約で決着済みである徴用工問題にまで戦線を拡大し、賠償という実利を得ようという、誠に以て下品で破廉恥なものである。

韓国外交の蹉跌

クリミアを併合した事からG8からロシアが除名され以前のG7に戻った。3月24日オランダ・ハーグでG7が開催され、アメリカのオバマ大統領、日本の安倍首相が出席する事から、これに合わせる形でオバマ大統領仲介により日米韓首脳会議が開催された

。韓国、朴大統領はオバマ大統領から呼びつけられた訳である。これだけでもプライドの高い朴大統領に取っては不愉快極る話であったと思う。

しかしこれだけではない。G8からロシアが除名され、抜けた穴を韓国が新たなメンバーとなり埋めるといった展開も内心、それなりに期待したはずである。しかしながら、何処からもそんな声は聞こえなかった。未だ早いというよりも、韓国がG8のメンバーになるという展開を現実的なものとして受け止めている国はないという事である。韓国首脳は口を開けば日本を誹謗中傷する。その日本がG7で不動の地位を占め、一方韓国が将来G8のメンバーに推される可能性は殆どないだろう。これでは韓国外交の蹉跌と言わざるを得ない。

米韓関係の今後

ニューヨークタイムズはアメリカ政府が進める軍縮について詳しく説明している。現在の様な軍事支出を続けていてはアメリカの財政は持続不可能なので、第二次世界大戦前の規模に縮小するというのである。兵士の数をベトナム戦争の時の四分の一、44万人にまで減らす。アメリカは第二次世界大戦後「世界の警察」として世界の平和維持のために尽力して来た。これからは世界の警察官の数が減るという事である。

当然韓国に対しても安全保障でアメリカ丸投げを止め自立を催促する事になる。韓国が損得勘定から対中傾斜を強めるのは当然の成り行きではないのか?

韓国と法の支配や自由、民主、人権といった価値を共有出来るのか?

日本の為政者は韓国について語る時、「法の支配や自由、民主、人権といった価値を共有出来る重要な隣国」との紋切り型の説明を繰り返して来た。しかしながら、韓国が中国の属国に回帰しようとする今日、今少し実態に即した見方をすべきではないだろうか?

最近の、朝鮮日報には触れず、産経だけ問題にするのはなぜか?=韓国ネット「当然の疑問」「脅せばいいと思ってる」は顕著な実例である。産経新聞の加藤達也ソウル支局長の人権や民主主義の根幹をなす報道の自由は完全に無視されている。法の支配というよりも、実態は司法の上に国民感情があるといった方が正しいと思う。これでは、BBCがChina detains Xinjiang man for 'online rumours'と伝える様に、中国当局が行き成りウイグル人を逮捕拘留するのと差異はない。

韓国は民主主義国家の仮面を被っているものの、その実態、本質は中国に近いのではないのか?仮にそうであれば、韓国人に取って馴染みのある「華夷秩序」、「冊封」に回帰するのも極自然な先祖帰りという話になる。

韓国経済は中国経済に飲み込まれるのか?

戦後、日本企業は韓国企業だからという理由で情報漏洩を大目に見て来たところがあると思う。しかしながら、韓国が対中シフトを鮮明にすればそうも行かなくなるに違いない。既に、東芝による韓国SKハイニックス社に対する訴訟や、新日鉄住金によるポスコに対する訴訟は現在係争中である。少なくとも、今後韓国企業は今迄の様に濡れ手に粟で日本から技術を持ち帰る事は出来なくなる。この結果、韓国企業の競争力が毀損するのは避けられない。

一方、スマホ市場で苦戦するSamsungが韓国企業の将来を暗示している。全方位的な戦略展開が成功していたはずであったが、廉価版の普及モデルでは中国で台頭著しい新興メーカーに最早価格で対抗出来ない。一方、多機能、高級モデル市場ではAppleのブランド戦略の後塵を拝さざるを得ない。今後、自動車でも同様に廉価版の普及モデルでは中国メーカーの追い上げを受け、一方高級モデル市場では日本メーカーの攻勢を真正面から受ける事になる。

更にいえば、スマホや自動車以外の分野でも同様の苦境が予想される。中国や中国に雁行する新興産業国がそこそこ高性能な商品を驚く様な低価格で市場に投入して来る。既に高コスト体質となってしまった韓国企業では太刀打ち出来ない。一方、高級モデル市場では相変わらず日本のブランド力は強く、韓国企業の参入は容易ではないだろう。結局のところ、私には韓国経済は中国経済に飲み込まれる展開しか想像出来ない。