鴻池・元防災相に森友学園側から封筒 「受け取らず」
学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題をめぐり、自民党参院議員の鴻池祥肇元防災担当相が1日記者会見した。学園が土地交渉をしていた2014年4月ごろ、議員会館事務所を訪ねてきた同学園の籠池泰典理事長夫妻から封筒のような物を差し出され、「これでお願いします」と言われたことを明らかにした。
鴻池議員は受け取らず、中身も見なかったという。「政治家の顔を銭でたたくとはと憤り、部屋を出て行った」と話した。学園側が便宜を図ってもらうために政治家に接触していたことが新たに判明した。
鴻池議員によると、同学園の籠池泰典理事長と知り合ったのは09~10年ごろ。知人から学園での講演を頼まれたのがきっかけという。その後、籠池理事長は神戸市の鴻池事務所に出入りするようになったが、直接会ったのは3回ほどで、そのうち1回が議員会館への訪問。封筒のようなものを差し出されてからは「出入り禁止にした」という。
土地取得に絡み、財務省や国土交通省への働きかけについては否定し、「30年やってきた政治家に対して金で動かそうというのが気にくわない」などと述べた。ただ、封筒のようなものの中身が現金かどうかは定かでないという。
鴻池氏が代表を務める「自民党兵庫県参議院選挙区第二支部」の政治資金収支報告書によると、「塚本幼稚園幼児教育学園」(大阪市)から14年1月3日と15年1月5日にそれぞれ10万円の寄付を受けていた。学園の代表者の欄にはいずれも、森友学園の籠池理事長の名前が記されていた。鴻池氏は献金を受けていたことを最近まで知らなかったといい、返金する意向という。
(朝日新聞デジタル 2017年03月01日 22時01分)