公明党は6月30日に外交・安全保障に関する合同調査会を開き、集団的自衛権をめぐる対応を執行部に一任した。執行部は政府が示した閣議決定の文案を受け入れることを決めており、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認が事実上決まった。
調査会では、政府側が、集団的自衛権の行使は憲法上許されないとしてきたこれまでの憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定の最終案を示した。NHKニュースは次の通り報じている。
これに対し、出席者からは「長年の憲法解釈をいったん変更すれば、後戻りできなくなる」といった批判や「国民の理解が十分進んでいない」として、慎重な対応を求める意見が出る一方で、「もう決めるべきときに来ている」という指摘も出されました。
会合の最後に山口代表が「与党協議では、他国のためだけでなく、日本国民の生命、自由、権利を守るための限定的な行使容認であり、閣議決定案以上のことは憲法改正でなければできないことを確認するなどの歯止めを勝ち取った」と述べ、理解を求めました。
(NHKニュース「集団的自衛権 公明が執行部に対応一任」より 2014/06/30 17:39)
自民党と公明党は7月1日に与党協議を開いて最終合意した上で、政府が同日中にも閣議決定する。その後、安倍晋三首相が記者会見で憲法解釈変更の理由を説明し、国民に理解を求める。
閣議決定最終案は、中国の軍事的な台頭や予断を許さない朝鮮半島情勢などを念頭に置いている。
最終案は、武力行使を伴う集団安全保障への参加は明記していない。しかし、自民党は、「明示していないだけで参加を否定していない」との見解で、今後の安保法制整備に盛り込む姿勢を見せている。参加に難色を示す公明党との意見対立が再燃する可能性もある。
集団的自衛権の行使容認をめぐっては、首相が5月15日に私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の報告を受け、与党に検討を指示。自公両党は協議を開始し、行使容認で大筋合意していた。
(時事ドットコム「集団的自衛権、1日に閣議決定=安保環境変化、限定容認-公明も受け入れ」より 2014/06/30 18:00)
公明党の北側一雄副代表は30日、「まだ国民の理解が得られていないのはそうかもしれない」とした上で、「説明責任は果たさないといけないと思っている」と語った。
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