育休について、「優雅な休み」という意見がネット上等で散見されるのですが、育休を2回取得した男性として、全くのお門違いだと言わざるをえません。
育児は誰でも最初は初心者です。今までの大人だけの世界から、言葉も通じない異質な存在が、いきなり割って入ります。それまでの生活ルールはズタズタになり、すべては子ども中心に回ります。
それはカップルの間に混乱をもたらします。この時期に、いかに新たなパートナーシップをつくれるか。夫婦ともに子育てを「新しい仕事」として定義し直し、可愛くも横暴な赤ちゃんの要請に即座に対応し、ブツ切れの睡眠時間にも慣れていき、男女から「パパ」と「ママ」に徐々に「なっていく」必要があるのです。
最初から、パパとママであるのではないのです。我々は親に「なる」のです。
育休はそうした意味で、非常に重要な「適応の時間」なのです。
ここで男性が、出産前と変わらぬ生活をし続けたらどうでしょうか。妻だけがこの環境の激変を体験し、母になっていくプロセスを歩んでいるのに、夫は意識の上で置き去り。新しいパートナーシップも組めず、育児は「手伝う」意識のまま。その後の夫婦関係にも、子育てにも大きくマイナスです。
男性が、父が育児のスタートアップにおいてフルコミットで参画することで、男性の育児への意識は大きく変わるのです。僕も体験して思いました。
「こんな大変なこと、妻一人でやらせられないわ」
と。
繰り返しましょう。育休は「優雅なお休み」ではありません。
「育児初心者が必死になって子育てに慣れる」期間です。
そして「親になるスタートを切る」ための、大事な大事な学びの期間なのです。