東京都知事選、選挙日からちょうど1週間前の2014年2月2日(日)。
出馬した細川元総理のための銀座四丁目での応援演説は、まさに
小泉純一郎の「原発ゼロ」銀座劇場だった。
埋め尽くされた聴衆を前に、
「まさか総理大臣辞めて、二度とみなさんに街頭演説する機会があるとは思いませんでしたよ」(「そうでしょー!」「ありがとう!」)
「こうして、みなさんにお話、お願いしているとね、初めて衆議院選挙に出た頃も蘇ってくるんです。」(「小泉節!」「純ちゃ~ん!」の声援)
時折聴取を笑わせながら、強いトーンでジェスチャーを使いながら語りかける様子に、往年の衰えは見られなかった。30分、一本勝負。小泉節が銀座で炸裂した。
「原発ゼロを宣言したドイツでさえも、今いくつか原発が動いている。しかし、今、日本は原発を基本エネルギーにするか、ゼロにするか迷っている。ゼロ宣言していないのに、ゼロになってるのは日本だけですよ! もう実現しちゃってるんですよ。あとは政治が決断するだけですよ」(「そうだ!」拍手、笑)
「政治で一番大事なのは方向を決めること。それはみなさんが握っているんです」
「70過ぎて、引っ込んでろっていう声もある。でもね、原発は安全、コストが安いことが嘘だとわかって、黙って寝てていいですか? そうじゃないでしょう。 反省を込めて、日本をどうするんだと。大きなピンチだが、日本が原発なしで発展する姿を見せれば世界が模範とするに違いない。
しかもその可能性が十分ある。実現可能だと思ったからこそ、これは過去の人と言われながらも一国民として、一市民としてやるべきことがある。やらなければならないことがある。だから一緒に(細川さんと)立ち上がっているんです」
「みなさんが、真剣に関心を持ってこの選挙を見守っていることを見ると、「年寄り引っ込んでろ」って声は関係ないと思った! 熱い心が伝わってくるんですよ。これはやらなきゃいかん。
我々はいいですよ。
細川さんも私も70過ぎたんだから。
もういつ死んでもいいんです!
ところがこの問題は若い人が考えなきゃいけない。原発の電源によって恩恵を受けた人は、年寄りの人だ。しかし、その過程で出てくる膨大な負担を負わされるのは、若い世代じゃないですか。いや、これから生まれくる未来の子どもたちも負担していかなければならない問題です。
こんな国を遺すべきじゃない。やはり、原発なしの国をつくるっていうことが、年寄りの私たちにとって、一番、若い世代に残せる財産じゃないかと思った!」
「少年を大志を抱けっていう有名な言葉がある。老人だって大志を抱いていいですよ!」(「そうだー!」拍手)
「原発のない社会をつくる、大きな志じゃないですか。しかも実現不可能な夢じゃないです。実現可能な夢です。理想家だったって、現実を見なきゃダメだっていう人もいますけど、あの福島の現実を見たからこそ、これは原発を残しちゃダメだと思ったんですよ」(「そうだー!」拍手)
「細川さんも、私も、これからいつまで生きるか分からないけれども、例え死んでも原発ゼロの社会、再生可能エネルギーで全部やっていける姿を見ることが出来ないかもしれないけれども、後に続く子どもたちの世代が、そういう時代にしたら、日本だって様々な技術が発展してきます。これからは技術も進歩する。し かもその科学技術が、自然環境を破壊するような科学技術じゃない。自然の生態系を活かす科学技術の発展で日本はやっていける。そいういう社会をつくるのが、夢だけども、壮大な事業だけども、実現可能性が十分ある夢じゃないですか!」
「一人ひとりが、これは自分たちの問題だ。電力を使っているのはみんな市民一人ひとり。その電力を使っている人が投票所に足を運んで、自然の生態系を活かす社会をつくろうという思いならば、必ず細川さんは当選出来る!」
そう締めくくった。
賽は投げられた。東京都民の選択が試されている。