7月31日の東京都知事選で小池百合子氏が当選したことは、韓国や中国、台湾のメディアも詳しく報じた。
韓国メディアは「知事公選制69年で初の女性都知事」と詳しく伝える一方、東京韓国学校への土地貸与計画の白紙化や、ヘイトスピーチが社会問題化した団体との関係を懸念する記事もみられる。
「69年でガラスの天井を破った」とのタイトルをつけた中央日報は、舛添要一・前知事が2014年の訪韓で朴槿恵大統領の要請に応じて、新宿区にある約6100平方メートルの土地を貸与することを検討していたと説明し「小池氏は、ここを保育園や高齢者対策に活用できるとの考えを示した。右派勢力が保育園不足を掲げて貸与に反対しているため、状況は楽観できない」と報じた。朝鮮日報も「第2韓国人学校の設立が今後どうなるかが関心事だ」と書いた。
朝鮮日報は、この2年でフランスのパリ、イタリアのローマ、スペインのバルセロナで女性首長が誕生したと述べ、アラビア語を学んだ経歴やニュースキャスターを務め「政界渡り鳥」と呼ばれたことや「2012年の自民党総裁選で石破茂氏を支持したため、第2次安倍政権では党内非主流派に追い込まれた」と、経歴を詳細に報じている。
小池氏を「日本の代表的な右翼政治家」と評したのは京郷新聞。「10年前から憲法9条を改正して『自主憲法』制定を主張し、環境相だった2003年11月、日本の核武装について『国際情勢に従い検討すべきだ』と主張し物議をかもした」「在日コリアンへのヘイトスピーチで問題になった極右団体『在特会』(在日特権を許さない市民の会)で何度も講演したこともある」と伝えた。
中国の国営新華社通信は、NHKの速報を引用して小池氏の当選を速報した。自民党が推薦した増田氏を破ったことを挙げ「小池氏がどうやって都議会の最大会派・自民党との関係を調整していくのか注目される」としている。台湾の中央社も、無党派層をつかんで保守分裂選挙を制した経緯や、環境相時代に提唱した「クールビズ」、2005年の「郵政解散」で「刺客」として選挙を戦った経歴などを詳しく紹介した。
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