「まるで刑務所」「笑顔が見られる雰囲気」...その実態は『霧の中』な子ども施設を救え

規律が厳しく、違反すると『反省生活』という処罰のような扱いを受けたと訴え『まるで刑務所』という子は多い
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Kawasaki, Kanagawa Prefecture, Japan - March 8, 2015: People sitting on bench in a shopping mall are texting on their mobile phones.
Jiangang Wang via Getty Images

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

昨日配信された共同通信の記事に、私のコメントが掲載されました。

産経新聞や一部地方紙などでは一部が紙面にもなったようです。

【虐待増、子ども施設限界】ピーク時定員150%も 脱衣所や相談室で就寝

子どもの問題に取り組む 音喜多駿 (おときた・しゅん)東京都議は「一時保護所の過密で人手が不足すれば、職員は子どもの安全を守る必要上威圧的に管理し、しかも管理している感覚もまひしてしまう。だが子どもの視点から見ると監督され窮屈。予算と人員が必要だ」と強調した。

「子どもの問題に取り組む政治家」のカテゴリに入れていただけたことは光栄ですし、

実際この分野では日本で一番情報を発信している議員だと思います。

引き続き、今度は「この分野にもっとも詳しい・知識がある」政治家を目指し、

調査研究・具体的な政策提言を積極的に行っていく所存です。ハイ。

社会的養護・児童養護に関する過去記事はコチラ↓

さて、上記の記事で詳述されている要保護児童たちの「一時保護所」については、

私も以前に実際に訪れ、ブログにて解説をさせていただきました。

滞在100日超え、1年以上も...「一時保護所」の子どもたちを取り巻く環境

こちらでは私なりの視点から状況を説明いたしましたが、

一時保護所の実態については、真相は霧の中にあるのが現状といえます。

冒頭の記事中にあるように、

子どもの権利に詳しく一時保護所に入った多数の子どもに接してきた 川村百合 (かわむら・ゆり)弁護士は「規律が厳しく、違反すると『反省生活』という処罰のような扱いを受けたと訴え『まるで刑務所』という子は多い」と指摘。

「そんな経験から一時保護所を拒み、再び虐待から保護が必要になっても『あんなところに行くくらいなら』と街を放浪、生きる金のため体を売り、非行に走るケースがあり大問題だ」と話す。

という厳しい指摘がある一方、

東京都家庭支援課の 木村総司 (きむら・そうし)課長は月数回、一時保護所を訪れる経験から「会話がないとは考えにくい。笑って話している場面はよく見る。朝7時起床でご飯を食べ勉強、という生活が厳しいかもしれないが、昼夜逆転から離脱できたという子もいる」と説明した。

一時保護所の関係者や所管する行政職員は、

(当然のことながら...)そのような批判を全否定します。

一時保護所はプライバシーやセキュリティの関係から、

弁護士や人権保護団体の関係者といえども立ち入ることはできず、

その提言は実際に中で生活した子どもたちの証言を根拠としています。

これに対しては残念ながら

「子どもの意見など参考にならない」

「精神状態が不安定だから、事実を大げさに誇張しているのだろう」

といった見解も多く、こうした実態把握の困難さがこれまで、

一時保護所の環境改善の大きな壁として立ちはだかっていたのです。

しかしここにきて、私や多くの有識者・議員たちからの指摘・政策提言が実り、

ようやく東京都では今年8月から一時保護所の第三者機関による評価制度がスタートしました。

(前定例会にて提出した文書質問にて確認済)

これにより初めての、客観的視点での

一時保護所の実態報告と環境改善が望まれるわけですね。

もちろん、スタートしただけでは意味はありません。

「第三者機関」のはずが行政の御用機関になっていたり、

評価基準が意味をなさないという例は枚挙に暇がないからです。

最初の評価が出るのは来年以降になるかと思いますが、

しっかりと機能するように評価基準を含め、注視していきたいと思います。

また一時保護所の過密状態解消、財政的・人的資源の拡充に関しては、

9月30日の一般質問でも取り上げる予定です。

大人にとっての「一時」は、子どもにとって永遠とも思える時間かもしれません。

一人でも多くの子どもたちに、1日でも健やかな生育環境が提供できるよう、

引き続き強く政策提言を進めてまいります。

それでは、また明日。