Amazonに講談社ら激怒「一方的に配信停止された」

講談社がAmazonへの抗議文を発表。電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」で、講談社の書籍約1000冊が一方的に配信停止されたことへの抗議だという。
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講談社が10月3日、ネット通販大手Amazonの日本法人「アマゾンジャパン」への抗議文を発表した。Amazonが8月から提供している電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)」で、講談社の書籍約1000冊を一方的に配信停止したことへの抗議だという。

講談社以外にも、作品の配信を停止された出版社や作家がおり、Amazonに対して善処を求めて訴えている。

■Kindle Unlimitedとは?

Kindle Unlimitedは、月額980円(税込み)で、和書12万冊以上、洋書120万冊以上のKindle電子書籍が読み放題になるサービスで日本版では8月3日にスタートした。講談社もこのサービスに1000以上のタイトルを提供したという。

■スタートから1週間で作品が削除され始めていた

講談社の担当者はハフポスト日本版に対し、Amazonは8月、Kindle Unlimitedで配信ランキング上位に並んでいた写真集など「17作品を、連絡なく一方的に削除した」などと話した。『中島知子写真集 幕間 MAKUAI』『今井メロ写真集 Mellow Style』などが、この時に外されたという。

これについて講談社はAmazon側と交渉したが、9月30日夜以降には、文芸、ラノベ、児童書、実用書など、講談社の提供したタイトル全てが、Kindle Unlimitedで配信停止された。

朝日新聞デジタルによると、Amazonは一部の出版社と結んだKindle Unlimitedの契約について、次のように解説している。

複数の出版社によると、アマゾンは一部の出版社を対象に、年内に限って規定の配分に上乗せして利用料を支払う契約を結び、書籍の提供を促したという。ところが、サービス開始から1週間ほどで漫画やグラビア系の写真集など人気の高い本が読み放題サービスのラインアップから外れ始め、アマゾン側から「想定以上のダウンロードがあり、出版社に支払う予算が不足した」「このままではビジネスの継続が困難」などの説明があったとしている。アマゾン側は会員数を公表していない。

 

アマゾン読み放題、人気本消える 利用者多すぎが原因?:朝日新聞デジタルより 2016年8月31日05時03分)

さらに、Amazonは9月に入りこの上乗せ料金をやめると、出版社に説明していたという。

ある大手出版社によると、さらにアマゾンは、9月で上乗せをやめ、「了解が得られない場合は人気のあるタイトルから、ラインアップから外していく」と通告したという。

 

アマゾン読み放題、講談社などの全タイトル消える:朝日新聞デジタルより 2016年10月3日20時56分)

講談社はAmazon側に対し、「大変困惑し、憤っております。弊社はこの一連の事態に遺憾の意を示すとともに、アマゾン社の配信の一方的な停止に対して強く抗議いたします」などと、声明で訴えた。

Kindle Unlimitedについては、講談社だけでなく光文社も、提供していた全550作品の配信が停止されていた

■「海猿」の佐藤秀峰氏も賠償を求める意向

なお、8月末に、それまで全巻販売されていた「特攻の島」「海猿」「新ブラックジャックによろしく」の4巻目以降がKindle Unlimited対象から外されたとする漫画家の佐藤秀峰氏は9月1日、「事前に承諾をしておらず、Amazonの独断によるもの」などとFacebookに投稿。9月30日には、アマゾン側に対し、賠償などを求める内容証明を送付したと発表した