オーストラリアで森林火災が発生し、深刻な被害が拡大している。現場になっている森林はコアラの生息地として知られ、火災で数百頭のコアラが犠牲になっているという。AFP通信によると、11月2日には現場付近から脱水症状のコアラ2匹が救出された。
オーストラリア東部沿岸地方のニューサウスウェールズ州では、深刻な干ばつに見舞われおり、各地で森林火災が起こっている。AFP通信によると、火災でコアラが密集して生息する地域など数千ヘクタールが焼失したという。同州でコアラの救急に対応しているポートマッコリー・コアラ病院のFacebook公式アカウントによると、10月30日時点で350匹以上のコアラが火災に巻き込まれるなどして犠牲になったという。
11月2日には、シドニーの北約400キロの火災現場付近で、脱水症状のコアラが発見され、同病院に運び込まれた。AFP通信はツイッターで、手当を受けるコアラの様子を写した動画を投稿。病院の職員から注射器で水分を与えられるコアラが紹介されている。
同病院のアシュトン院長は、AFP通信の取材に対し、救助当時のコアラについて「地面から抱え上げられ、小さなボールのように丸まっていた。ほとんど動かなかった」と説明。院長はまた、森林火災がコアラに与える影響として、火災に巻き込まれて焼け死ぬことに加え、水や水分を含んだ葉が不足することによる、脱水症状を懸念した。