後脚を失った子猫、車椅子で一歩を踏み出す(動画)

安楽死間際と言われた子猫が、幸せで遊びが大好きな子猫になった。

後脚のない小さな野良猫キャシディは、特製の小さな車椅子で初めて歩き始めた。

子猫にとっての小さな一歩が、障害を持つすべての猫にとって大きな一歩になってほしい。


キャシディは4カ月前の7月上旬に、野良猫の母親から生まれた。直後に両方の後脚を失ったと考えられている。

「信じられないくらいひどい話ですが、母猫はキャシディを生んだあと、へその緒を取り除こうとして誤って後脚を噛みちぎったとみられます。生き残ったのは奇跡です」と、猫の里親を探すNPO「Tiny Kittens」の設立者シェリー・ロッシュ氏は話す。ロッシュ氏はカナダを拠点に猫の保護活動に携わっている。

キャシディとその家族が住みついていた家の持ち主が、生後9週間目にキャシディを発見するまで、キャシディは屋外で生活していた。

「彼はキャシディがヴェロキラプトル(後脚で立つ恐竜)とは反対に、前足で歩いているところを見つけてメールを送信してきました」とロッシュ氏は言う。

9月初旬にキャシディと兄弟のトッパーは捕獲され、カナダ・ブリティッシュコロンビア州にあるロッシュ氏の自宅でTiny Kittensの本部に連れてこられた。


到着した時、子猫たちはとても痩せていて、体重は1ポンド(約450グラム)しかなかった。深刻な感染症を患って危険な状態にあり、自分で排尿することもできなかった。

生き延びるのが難しいと言われたが、その後子猫たちは日に日に元気を取り戻し、体重は倍になった。「緊急治療をした獣医は、安楽死が必要かもしれないと言っていましたが、今はすっかり回復し、幸せで遊び好きな子猫です。とても元気でやんちゃな子です」とロッシュ氏は言う。車椅子をつけて家の中で他の猫を追いかけたりもする。


車椅子のデザイン・製作を担当したのは、「ハンディキャップ・ペット・カナダ」のオーナーのアンドリュー・フィリップス氏だ。

フィリップス氏によると、キャシディの車椅子は、これまでに作った中で最も小さい。ウサギのための車椅子を作ったことがあるが、それもキャシディのものより少し大きかった。

キャシディの車椅子は、成長して体に合わなくなった後はフィリップス氏に返却され、他の障害を持つ動物に受け継がれる予定だ。

「仕事はとてもやりがいを感じる」とフィリップス氏は話してくれた。

「この可愛いウサギの名前はカリー。アンドリューがこの子のためにカートを作ってくれた。カリーはオランダ生まれの12歳で後脚が動かない」


ロッシュ氏が保護するほとんどの猫は里親に引き取られる。ただキャシディは障害を抱えているため、里親の元に行くにはまだ早すぎる。

しかし、たとえTiny Kittensに長期間とどまるとしても、人気者のキャシディはロッシュ氏を助けることになるだろう。親善大使となって、野良猫を増やさないよう避妊/去勢手術の大切さを伝えたり、責任を持ってペットを育てるよう飼い主に訴えたりして、ペットの問題を世の中に知ってもらうのだ。

それにキャシディ自身も、車椅子でかけまわる猫の広告塔だ。

ロッシュ氏はキャシディを「奇跡」と呼ぶが、この奇跡は多くの努力と愛に支えられている。ロッシュ氏は、キャシディがそのお返しに、猫たちをとりまく環境を改善する助けになって欲しいと願っている。

「キャシディは、障害を持っている猫にも魅力があり助ける価値がある、ということを私たちに教えてくれます」とロッシュ氏は話す。「すべての命に価値があることを知ってもらいたい。助けた猫たちに生きるチャンスをあげたいのです」

「#MiracleKitten(奇跡の子猫) にハマっているひとに、凄く可愛いこの子を紹介します!♡♡ 明日ライブカメラにも出演します」


この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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