今回初めてKitchHikeに参加した翔子といいます。たくさんのCOOKの方たちの中から、友人と相談して、鶴見にお住まいのベトナム料理のチャウ・グェンさんに申し込んでみました!
優しい旦那さまと、かわいい赤ちゃん、そして今回のCOOKチャウさんです!
ベトナムに行ったことはないけれど、ベトナム料理は辛すぎず美味しいという印象があったこと、それにホームページに掲載されているお料理の写真がどれもとっても美味しそうだったからです。7種類のお料理から2つメインを選ぶということで、迷いながら肉団子麺 (bun cha) と揚げ春巻き (nem ran) をお願いしました。
当日は早めにお邪魔して作るのをお手伝いさせてもらうことにしました。
■日本語堪能な才媛、チャウさん
そして当日。
出迎えてくれたチャウさんは、笑顔がとってもチャーミングで日本語堪能な女性。しかも、日本でバイオテクノロジーの博士課程を専攻しているという、才媛でした!チャウさんは肉団子麺、揚げ春巻きの他に、ローリングライスケーキとトウモロコシのデザートを同時並行で準備中。てきぱきとした姿に一同感動を覚えました。旦那さんは、これまた優しい方で、温かいお茶を入れてくださいました。
ベトナム料理に必須のレモングラスです。
ベトナム料理というと、フォーと生春巻き、あとベトナムコーヒーがまず浮かびます。とても美味しい印象ですが、他の料理は残念ながらあまり日本のお店では提供されていないのかも。今回チャウさんとお話して、ベトナム料理について以前より知ることができました。
まず私はナンプラーとニョクマムの区別がついていなかったのですが、タイではナンプラー、ベトナムではニョクマムを使うということです。あと、チャウさんは、日本では売られていない調味料や野菜 (ベトナムの野菜は日本の野菜より小さめですが、風味が良かったり、種類も豊富だそう) などの食材をベトナムから定期的に買って来るそう。
これがベトナム家庭料理に必須の数々の調味料!見ているだけでワクワクします。
麺と一緒に食べる、肉団子や焼肉は豚肉を使っていらっしゃいました。ベトナムでは牛肉も鶏肉も食べるけれど、豚肉を使うことが多いそうです。あと川が豊富なため、魚は川魚を食べることが多いそう。日本のスーパーで売っている海の魚を見ても、調理方法が分からないとおっしゃっていました (日本は魚を生で食べることを好むけれど、後は煮るか焼くか揚げるかくらいで、シンプルです。ただ調味料はベトナムと異なるよね、と後で友人と振り返りました)。
チャウさんはご家族に教わったというよりは、日本に来てから、ご自分でベトナム料理の勉強をしたそうです。日本語も日本に来てから学んだそう。努力家のお人柄が伝わります。
■ベトナム料理作りをちょっとお手伝い♪
自ら、「料理をお手伝いします」と言った割には、このままだと完成まで見守ってしまいそうだったので、何かお手伝いします!と申し出てみました (笑)。そして、揚げ春巻きの具を包む作業をお手伝いしました。日本ではあまり使わない本当に薄いライスペーパーで春雨や椎茸、人参などを和えた具を包んでいきます。楽しくなってきて、ついつい包み過ぎてしまいました。
最初は皮が破れないか恐る恐るでしたが、慣れてくると止まらなくなる作業です。
その間に、チャウさんがローリングライスケーキを作ってくださるとのこと、しかし「ケーキ」の言葉から想像しても、イメージが湧かず、完成品を見てようやく見たことある!と納得できました。米粉を使った生地をクレープみたいに薄く焼いて、プルプルとした食感の皮に具材を包みます。生地を焼くときのフライパンをひっくり返す慣れた手さばきに一同、再び感動しました。
チャウさんの華麗な手さばきについつい目がいってしまい、お手伝いの手がとまってしまうことも (笑)。
ひっくり返す手さばきがこなれています。
ローリングライスケーキと揚げ春巻き、肉団子と焼肉、麺が完成したものの、まだ食べることはできないそう。
せめて、肉を持つ役割を申し出てみました。次から次へと出来上がる様子にテンションがあがります!
というのは、すべてのお料理に合うスープを作る必要があるということです。このスープは、砂糖、酢、ニョクマム、水、すり下ろしたにんにくなどを混ぜて、微調整して作るそうです。チャウさんは慣れた手つきで花形に切った人参を追加してくださいました。見た目もとてもかわいいスープが完成。このスープがどのお料理にもとても合うんです。ただ、このスープは市販されていず、各家庭で食事ごとに作るそう。
こんな風に細かいところまで手がけてくださる。これが、家庭料理のおいしさの秘密なんだろうな〜と思いました。
ついにお料理が完成し、食卓を囲みます。作る課程も見せていただいているので、感動もひとしおです。揚げ春巻きもローリングライスケーキも肉団子麺もどれもとても美味しかったです。量も多すぎるくらいで、余った分はお土産として包んでくださいました。
腹ぺこのお腹に、このいい香りはたまりません!
デザートには、トウモロコシのスープに片栗粉でとろみをつけて、ココナッツミルクをかけた珍しいもの (チェ・ゴーというそう) を出してくださいました。氷が入っていて夏にぴったり!
年間を通して暑いベトナムでは大人気のデザートです!美味しい!
■料理をきっかけに相手の国に関心が深まる貴重な時間
料理を作る間も食事の間も、チャウさんのご家族やバイオテクノロジーの研究の話や、ベトナムの宗教や選挙、文化の話などいろいろうかがうことができました。ベトナムと日本はともに中国の漢字を拝借して文字を作ったことや、仏教が浸透していることなど共通点も多いのですね。ベトナムには中国や韓国からの映画がたくさん入って来るそうです。
そして、ベトナムは複雑な歴史を持っているけれど、まだまだ知らないことが多いと思いました。料理をきっかけに相手の国に関心が深まるのがとても大事なことだと感じました。また、台所にお邪魔して作るところから見せていただけるのが醍醐味だと思います。誘った友人もこのプログラムとてもいいと思う!と絶賛していました。
美味しい料理を目の前にテンションが上がっています!
美味しいお料理と心のこもったおもてなしに感動しながら、チャウさん宅を後にしました。ご夫婦と7ヶ月の赤ちゃんで見送ってくださいました。本当にありがとうございました!
チャウさんご一家とは初めて会うのに、とっても温かいひと時を過ごすことができました。
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(「KitchHike マガジン」より転載)
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