キリンビールは11月26日、糖質ゼロ・プリン体ゼロの“ゼロゼロ”をうたう第3のビール「のどごしオールライト」を2015年1月27日から発売すると発表した。痛風の原因とされるプリン体ゼロをうたう第3のビールとしては、世界初となる。
第3のビールは、ビールとくらべて酒税が半分以下であり、財布にやさしいことが特徴だ。キリンの担当者はハフポスト日本版の取材に対し「気軽にごくごく飲めるようにアルコールも低めに抑えたり、カロリーも100ミリリットルあたり20キロカロリー以下の『カロリーOFF』としたりするなど、健康志向の製品です」と話した。
ビール類に多く含まれるというプリン体は肝臓で分解されて尿酸に変わる。適度な尿酸は、老化や発がんなどの危険因子とされる活性酸素から体を守る働きがあるとされるが、体の中に尿酸がたまり結晶化すると、激しい関節炎を伴う「痛風」になるといわれている。
しかし、原材料の制限がある第3のビールでは、プリン体ゼロの実現は技術的に難しいという見方もあった。プリン体ゼロをうたう第3のビールとしては、サッポロが2013年6月に「極ZERO」を発売したが、国税当局から製造方法に関する指摘を受け、2014年7月からは発泡酒に切り替えた経緯がある。
キリンでも顧客がプリン体に高い感心を示していたことから、独自の特許技術である「プリン体カット製法」によって、プリン体をゼロにした発泡酒「淡麗プラチナダブル」などを開発してきた。これを第3のビールでどのように実現するかが、今回一番難しかった点だと担当者は話した。
プリン体カット製法は、発泡酒などの発酵麦芽飲料にプリン体を除去する吸着剤を入れ、おいしさを残しながらプリン体だけを吸着させて取り除くというものだ。のどごしオールライトの発表会では、製法については特許取得手続き中を理由に具体的な言及を避けたとされるが、同じく第3のビールの「のどごし生」では使っていなかった麦芽が、のどごしオールライトでは使われることになった。ただし、麦芽の分量は第3のビールの基準のままを維持することで、財布にも優しくなっている。
■第3のビールは酒税がビールの半分以下
ビール類の税額は原料に占める麦芽の含有量などに応じて変わり、350mlミリリットル当たりでは、麦芽67%以上のビールは77円、麦芽25%未満の発泡酒では47円、さらに第3のビールは28円となっている。発泡酒と第3のビールでは20円ほども違うが、これは商品価格に影響してくる。キリンの担当者も「のどごしオールライトも発泡酒より20円ほど安くなり、実売価格では350ミリリットルが145円、500ミリリットルが203円ぐらいになるのではないか」と話した。
プリン体ゼロ製品は顧客にも反響が良く、淡麗プレミアムは2014年9月の販売当初、大びん換算で年内120万ケースの販売を目標をしていたが、240万ケースに目標を上方修正するという。のどごしオールライトについても、2015年の販売目標は470万ケースを目指すとしている。
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