AmazonのKindleで配信されている電子書籍に、消費税が課されることになりそうだ。
政府は6月25日、インターネットを通じて海外から日本に配信される音楽や電子書籍に対し、消費税を課税する制度の詳細を固めた。日本での売上高が1千万円を超える海外企業に対し、税務署への申告を義務付けるという。47NEWSが報じた。
拡大するネット配信市場で海外企業を国内勢と税制面で同じ扱いとし、対等な競争条件を整える。2015年度にも適用する。(中略)与党が年末にまとめる15年度の税制改正大綱に盛り込む方針だ。
(47NEWS「海外電子配信に納税義務の新制度 1千万円超に、15年度にも」より 2014/06/25 19:28)
現在日本の消費税は、税関を通った輸入品には課税されているのに対し、海外にサーバーを置くネット配信は税関を通らないため課税することができない。そのため、海外からの配信分は消費税分を商品価格に上乗せしない価格設定が可能となり、国内で配信されている商品よりも安く販売されていた。
例えば、1,000円の電子書籍を販売する場合、紀伊国屋書店などの国内の電子書籍ストアでは、消費税込みで1,080円で販売する。しかし、日本のAmazonではKindle版の電子書籍を、消費税を抜いて1,000円で販売している。
これは「Amazon.co.jp」というサイトがAmazon.com Int’l Sales, Inc.およびAmazon Services International, Incという海外企業による運用であり、課税対象とはならないためである。Amazonの消費税に関するヘルプページにも「Amazon.co.jp が販売するKindle本(電子書籍)、デジタルミュージック、アプリストア商品および一部のPCソフト&ゲームダウンロード商品には、消費税は課税されません。第三者が販売または提供するこれらの商品には、消費税が課税されます」と、堂々と表記がなされている。
同様に、楽天は電子書籍に参入する際に、Koboというカナダの子会社による販売とし、データ配信用のサーバもカナダに置く方法をとった。Googleのインターネット広告も、サービス提供企業と配信拠点を海外に置いているため、外国企業との取引とみなされている。
さらに、課税できる仕組みがないことで、外国企業とのインターネットでの取引において、2012年1年間で247億円の税収が失われていたということが、大和総研の米川誠主任コンサルタントの指摘で明らかになった。なかでもGoogleなどがインターネット広告で得た約3,900億円の売上に対する税収推定額が最も大きかったという。
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