「君の名は。」アカデミー賞に近づいた?LA映画批評家協会のアニメ映画賞を受賞

ゴールデングローブ賞と並んで、アカデミー賞の前哨戦として注目度が高い賞を受賞した。
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大ヒット中のアニメーション映画「君の名は。」が、12月4日、アメリカ・ロサンゼルス映画批評家協会のアニメ映画賞に輝いた。

新海誠監督は、自身のTwitterで「なんと。マジですか……」と喜びを伝えている。この賞はゴールデングローブ賞と並んで、アカデミー賞の前哨戦として注目度が高い。

実際に、2002年に同じ賞を獲得している宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」は、2003年のアカデミー賞で長編アニメ映画賞に輝いている。

LAタイムズは、12月3日「日本ナンバーワンの『君の名は。』を見るべき理由」とするタイトルで、日本での人気ぶりについて「宮崎監督以外で100億円以上の興行収入を得た初の映画」と紹介。

さらに、アメリカ国内上映が条件とされる「オスカー像獲得に向けた上映がLAで始まった」とも書いている。

「君の名は。」人気・評価は国内を超えて海外でも確立されつつあるようだ。台湾、タイ、香港では、週末興行収入の1位を獲得。12月2日から公開された中国では、公開初日1日間の興収が日本映画としての新記録を樹立した。また、12月28日からはフランスでも上映が開始される。

また、11月24日から公開が始まっているイギリスでは、すでに有力紙が絶賛の評価を与えている。

ガーディアンでは批評家のマーク・カーモード氏が5つ星の評価をつけた。

映画のテーマは「男と女、過去と現在、田舎と都会、科学と迷信」の対比であり、その両者が衝突する点に、この物語の核心があると分析。さらに、「話は、SF映画のように始まりと終わりの区別が分からなくなるように優雅に螺旋階段を登りつめていくが、抽象画というより、メランコリックな大人のコメディのようだ」と批評した。また、新海監督について、(引退を表明した)宮崎監督以後の日本アニメ界の新たな覇者との評価を確立したとしてたたえた。

一方、テレグラフでは、ロビー・コリン記者が絶賛している。

コリン記者は、映画について、激しい雨の後で景色が輝いて見えるように、現実世界をより鮮明に、輝きや知覚能力が増したように感じさせる「ばかばかしいぐらい」美しい作品と称賛。東日本大震災と福島第一原発事故を想起させる部分はありつつも、映画が格闘した「より大きなテーマ」がこの映画をさらに壮大に感じさせるとした。

そして、「仮にストーリーを知ってしまったとしても、作品が色あせることはなく、それを確かめられる唯一の方法は、2つの命のそばにある心の『組紐』を感じ、空に銀色の弧を描く『彗星』を見つめることだけだ」と鑑賞を勧めている。

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