北朝鮮の金正恩第一書記が「戦争はいつ行うと宣伝しない」と話し、韓国に対し予告なしに軍事挑発する可能性を示唆した。北朝鮮の国営放送が12月25日に多数の写真とともに伝えた。NHKニュースでは以下のように報じている。
キム・ジョンウン第1書記は、父親のキム・ジョンイル総書記が軍の最高司令官に就任した日に当たる24日、西部を管轄する部隊の司令部を視察し、「戦争はいつ行うと宣伝するものではないということを忘れず、戦闘準備に拍車をかけるべきだ」と指示したということです。今回のキム第1書記の視察には、チェ・リョンヘ総政治局長、リ・ヨンギル総参謀長、チャン・ジョンナム人民武力相という軍のトップ3人がそろって同行しており、韓国に対して予告なしに軍事挑発する可能性を示唆して威嚇するねらいがあるとみられます。
(NHKニュース「キム第1書記 戦闘準備急ぐ指示」2013/12/25 16:15)
北朝鮮は、12月19日にも韓国政府に対して「予告なしで報復する」という内容の通知を送っていた。それから5日後に金正恩氏が自ら「戦争」に言及した。その背景について韓国の通信社は以下のように書いている。
金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去から2年に当たる17日にソウル市内で複数の保守団体が集会を行い、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の写真を燃やすなどしたことを批判したものとみられる。
(聯合ニュース『北朝鮮が「予告なしに報復」 韓国に通知文』2013/12/20 12:09)
今回の北朝鮮側の動きに韓国も警戒感を強めている。政権ナンバー2の張成沢(チャンソンテク)氏の処刑による国内の動揺を抑えるために軍事挑発に出るという見方も出ているためだ。前述のNHKニュースの記事では、こう書かれている。
韓国では、北朝鮮がチャン・ソンテク前国防委員会副委員長の粛清に伴う国内の動揺を抑えようと、軍事的な挑発行為に出るのではないかという見方も出ており、パク・クネ大統領は24日、就任後初めて軍の部隊を訪れて、警戒を強めるよう指示しています。
(NHKニュース「キム第1書記 戦闘準備急ぐ指示」2013/12/25 16:15)
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