映画「不良番長」シリーズなどで知られる俳優の梅宮辰夫さんが12月12日の朝、神奈川県内の病院で死去した。81歳だった。朝日新聞デジタルなどが報じた。
死因は慢性腎不全。サンスポによると、2018年9月に前立腺がん、2019年1月に尿管がんの手術を受けるなど、これまで6度のがんの手術を経験。同年2月からは慢性腎不全で週に数回、人工透析を受けてきたという。
■慢性腎不全とは?
梅宮さんの死因となった慢性腎不全は、どんな病気だろうか。
「ブリタニカ国際大百科事典」によると腎臓は、人間の腹部の左右にある握りこぶし大の器官。血液中の老廃物を水とともに尿として排出する機能があり、これによって血液中の各種成分を一定の値に保つのが、最も重要な働きだ。
腎不全は腎臓の機能が低下して、正常に働かない状態になっていることを指す。
全国腎臓病協議会によると、腎不全には急激に腎臓の機能が低下する「急性腎不全」と、長い年月をかけて腎臓の働きがゆっくりと悪くなる「慢性腎不全」がある。
済生会和歌山病院の公式サイトでは、慢性腎不全は「数カ月から数十年かけて腎機能が徐々に低下し、腎臓のろ過能力が正常時の30%以下となって、体内の正常な環境を維持できない状態」と説明している。
慢性腎臓病が進行することで発症し、腎機能の回復は見込めず、高度な腎機能低下の場合、多くは末期腎不全(腎臓のろ過能力が15%未満)へと進行し、生命に危険をきたす。そして最終的には、透析や腎移植をする必要が出てくるという。
同病院の公式サイトで、岡本昌典・腎センター部長は「基本的にはある一定のレベルまで悪化してしまうと、失われた腎臓の機能が回復する見込みはほとんどないと考えた方がいいと思います。そのため、できる限り腎不全の進行のスピードを抑え、少しでも透析療法への移行を遅らせることが治療の目的になります」とコメントしている。