鍵を使わずにドアの開け閉めやエンジンをかけられるキーレス車は、便利な反面、危険をはらんでいる。
アメリカ・ミシガン州で母子を襲ったハプニングが、そのことを物語っている。
WXYZデトロイトによると、ケイティ・カービンさんは9月4日、ガソリンスタンドで給油していると、突然車のドアがロックされた。車内には1歳の息子が取り残されたが、カービンさんは車の鍵や財布、携帯を車内に置いたままだったため、ドアを開ける術がなかった。
「パニックに陥りました」。
ケイティさんは、マイアミ・ヘラルド紙の取材に対してそう振り返る。
その日は華氏90度(摂氏32度)以上の真夏日で、息子のジョーイはみるみるうちに汗をかき、泣き出してしまった。
ジョーイを助け出そうと、ある女性や槌を持ち出し、周囲にいた人たちは911(緊急通報ダイヤル)に電話をかけた。非番の消防士も駆けつけた。
幸い通報から10分しないうちに警察が駆けつけ、車のドアをあけ、ジョーイは無事に救出された。
ケイティさんは、「キーレスエントリーの車なら、車内に鍵を置いたまま車の外に出て給油しても大丈夫だと思っていた」とWXYZデトロイトの取材に対して説明。ドアを閉めてまもなくロック音がしたと話している。
ケイティさんが乗っていたシボレーの公式サイトは、キーレスエントリーシステムについて、次のように説明している。
・3フィート(約1メートル)以内の範囲に近づくと、車がキーフォブ(電波で自動車と通信するリモコン)を認識する。
・エンジンを切った状態で、キーフォブを車から離すと、全てのドアが閉まる。
ワシントンポストは、キーレスエントリーシステムの中には、運転者が車から一定の距離離れると、自動的にドアがロックされるものもあると伝えている。
ケイティさんは、「二度とキーフォブを車内に置いたままにしない」と話している。
WXYZデトロイトはこうした誤作動は通常は起きないと指摘しているが、インターネット上では同様の被害報告もあり、トラブルを避けるため車内に鍵を残したまま車を離れないよう気をつけた方がよさそうだ。