南アメリカのペルーで4月10日(現地時間)、大統領選挙の投票が締め切られ、現地の出口調査によるとアルベルト・フジモリ元大統領の長女ケイコ・フジモリ氏(40)が首位に立った。ロイターなどが報じた。ただし、当選に必要な有効票の過半数を集めるには至らず、2位候補と共に6月5日の決選投票に進む可能性が高いとみられる。
現地の調査会社IPSOSによると、ケイコ氏が37.8%で首位に立った。閣僚経験が豊富で経済界の支持が厚いペドロ・クチンスキー元首相(77)が20.9%、急進左派の女性議員ベロニカ・メンドサ氏(35)が20.3%だった。ケイコ氏との決選投票は、この2人のいずれかになる見込みだ。
NHKニュースによると、最終的な開票結果は日本時間の12日以降に発表される予定だ。
■ケイコ・フジモリ氏とは?
ケイコ氏は、1990年から10年にわたって大統領を務めたアルベルト・フジモリ氏を父に持つ日系3世。父の現職時代には19歳からファーストレディー役を務め、一緒に各地を回った。現在は最大野党フエルサ・ポプラルの党首で、ウマラ現大統領に決選投票で敗れた2011年に続き、2度目の出馬となる。
アルベルト氏は在任中に経済改革や貧困対策などを強化。1996年の日本大使公邸人質事件では強いリーダーシップを発揮したが、「汚職」や「独裁」といった負のイメージも強く、現在は虐殺事件の人権侵害罪で禁錮25年の刑に服している。父の功罪を巡る評価が、ケイコ氏の勝敗の行方を左右しそうだ。