PRESENTED BY KDDIフィナンシャルサービス

ビジネスを成功させたい、悩めるあなたへ。 ビジネスパーソンに必要な「企画を通すチカラ」を考える

全3回の対談で、普遍的なビジネスのチカラを探っていきます
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『働き方改革』の推進で、仕事のスタイルが多様化している。

リモートワークやフレックスタイム制など、自分らしく働ける環境が整えば、仕事への意欲も増すもの。

しかし「企画を考えて上司に提案しているけれど、通らない」「社内で新しいことを始めたいけれど、周囲が付いてきてくれるか不安」など、基本的な段取りで骨を折ることも多い。

特に、企画の通し方については、説明書やルールブックがあるわけでもなく、ノウハウが蓄積しづらいのが難しいところだ。

今回ハフポストでは、自ら企画を立ち上げ、貫き、成功させるヒントを探るべく、新規事業を立ち上げたビジネスパーソンと、「企画力」を生業とするノンフィクションライターの対談を実施。

自身の経験から得た"企画を通すチカラ"にまつわる知見を、企業と個人、双方の視点から語ってもらった。

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photo by 吉川 秀樹

石月 貴史(いしづき たかし)

KDDIフィナンシャルサービス株式会社 代表取締役社長。

1990年、KDDI株式会社入社。財務部などを経て株式会社じぶん銀行の創業に参画。

2011年よりKDDIに帰任し、新規事業統括本部 新規ビジネス推進本部 事業開発部長として「au WALLET構想」の具現化に向け、KDDIフィナンシャルサービス株式会社の設立を企画。

2014年、同社を設立と同時に現職に就く。

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photo by 吉川 秀樹

石戸 諭(いしど さとる)

記者、ノンフィクションライター。

2006年に毎日新聞社入社。岡山支局、大阪社会部、東京デジタル報道センターで勤務。

2015年末で退職し、2016年1月よりインターネットメディアBuzzFeed Japanで立ち上げから記者を務めた。2018年4月よりフリーランスとして多数の紙、ウェブ媒体で執筆。ラジオやAbemaTV等でコメンテーターも務める。著書に『リスクと生きる、死者と生きる』。

きっかけは「人の役に立つことがしたい」という思い

石戸:KDDIフィナンシャルサービスの『au WALLET クレジットカード』が、サービス開始から約4年で会員数400万人突破、というニュースを読みました。新規事業を成功させたと言ってもいい石月さんにお聞きしたい事があります。元々はKDDI社員として、ご自身でこの事業を立ち上げたとのことですが、始めから新規ビジネスを興すつもりで入社されたのですか?

石月:始めはそんなつもりは全くありませんでした。「人の役に立つことがしたい」という思いを持ちながら、当時の第二電電(※2000年にKDD、IDOと合併し「KDDI」に企業名変更)に入社しました。時代は通信の自由化から5年経過した頃で、コミュニケーションの活性化で人々の生活を豊かにしたいという勢いがありました。「この会社とともに、自分はどう成長していけるだろうか」などと考えていたことを覚えています。

石戸:新規事業の立ち上げはいつごろから意識していたのですか? 今から振り返れば、これがきっかけだったと言えるものはありますか?

石月:元々、"携帯電話ビジネスに重畳する新しいサービスを開発したい"という会社の要望があったのです。2011年、じぶん銀行より帰任した私は、それを考える立場におりました。暗中模索する中で、携帯電話の利用に関連してKDDIが保有するビックデータが、信用供与のビジネスに活かせそうだ!という大きな気付きがありました。

例えばクレジットカードを使った事がなく、今まで一切お金を借りたこともない人がいるとしましょう。そうすると、一般的な信用情報機関には情報が何もない状態なので審査は保守的になってしまうでしょう。少し前にやむを得ぬ理由で支払いを滞らせた人も同様かと思われます。

でも携帯電話を使っていれば、支払い履歴などを使って与信を補完できる可能性があるな、と思ったのです。信用が必要だけど得られない、そうした人たちの力になれるのではないか、と。

このビジネスは「人の役に立つことがしたい」という私の人生の目的にも合致するので、是非とも進めていきたいと思いました。

こういったことがきっかけと言えるかも知れないですね。

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photo by 吉川 秀樹

「自分のやりたいこと」×「会社のやりたいこと」

石戸:会社のニーズと自分のやりたいことが合致した、と。

石月:そうですね、私なりの考えですが、ビジネスパーソンとして「自分のやりたいこと」と、「会社の要請」、この両者が重なっている環境がベストだと思っていて。

自分も会社も幸せである状態、その状態をいかにつくれるか、ということはいつも意識しています。

石戸:確かに、自分のやりたい企画を実現させようと思った時に「自他のニーズを捉える」というのは鉄則だと思います。それに加えて、自分の「持ち駒」を考える。自分の能力や一緒にやってくれそうな人を思い浮かべながら、何ができるのだろうと考えていく、というのが重要です。無駄だとか、もう嫌だと思っていた自分の過去のキャリアが、思わぬ形で活きることもありますよね。

KDDIでは財務のセクションにも長くいたと仰っていましたが、その経験は今でも活きているのですか?

石月:数字には強くなりましたね。事業計画や財務諸表など、一目見て大体の概要を判断できるようになったのですが、このスキルは今でも非常に活きています。分析が上手にできるようになったと思います。

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photo by 吉川 秀樹

客観的データに基づく「事実を摑む力」

石戸:石月さんにとって企画を立ち上げていく上で一番大事なのは「数字を読む力」、と言えるかも知れないですね。

石月:そうですね、大切なものは「現状把握」だと思っています。自分の立ち位置を客観視できないと、将来的に発生しうるリスクは絶対に検知できません。

石戸:まさにその通りだと思います。現状把握する時に一番大事なことは、「~である(事実)」「こうあってほしい(願望)」「自分はこう思う(意見)」を明確に切り分けることだと思っています。でもこれらをごちゃ混ぜにしてしまう人が、メディア業界でも割と多いのです。

石月:数字を読む力はそうした意味で非常に重要で、現状を把握できるだけでなく次の展開の予想もできるようになっていく。

今ビジネスパーソンには、数字などの客観的データを基に、”事実を摑む力”を鍛えていく必要性が高まっているのかも知れないですね。

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(この企画は全三回でお送り致します。第二回のテーマは「人を巻き込むチカラ」、第三回のテーマは「ON/OFFを切り替えるチカラ」です。)