こんにちは、編集長の石根です。私は娘が1歳半になり、毎日家族生活をおくっています。
そんな中で、日々浮かぶのが、「家族ってなんだろう?」「家族として、この先どうあればいいんだろう?」という疑問。
この疑問を、白土夫妻にお伺いしました。
白土夫妻は、共に大手人材会社を退職し、夫・卓志さんは仲間とともに無農薬野菜を広める株式会社iCas(いかす)を設立、妻・栄子さんは、システムコーチングを行いながら、ラジオMCや日本でめずらしい夫婦コーチング・家族会議を啓蒙・実施し、幅広く活躍しています。お二人は「自然があるところが一番!」と、長女を出産したのち、田町のタワーマンションから、畑のある湘南に引っ越しするほど、柔軟な方々。
私が白土夫婦を尊敬するのは、『家族を営みながら、自分たちの人生を生きている』からです。そんな白土家に、 "家族"についてお伺いしました!
Q:どうやって子どもを育てる?
A:子どもは自分で育つものです。
石根:今、娘は1歳半、毎日可愛くて可愛くて...... この可能性にあふれた娘に「どんな人間になってほしいか」と、いつも話しています。親として、娘をどういう風に育てていけばいいのか、アドバイスをください!
白土栄子さん(以下、敬称略。栄子):すごく気持ちはよくわかるんだけど、わたしたち最近、子育てって、子どもの個性を見守ることじゃないかと思うの。大事なのは親の「こうなってほしい、ああなってほしい」じゃなくて、子どもの意思が最優先すること、個性を潰さないこと。
だから、親は、「この子にどうしてほしい」ではなく。「自分はこの子に対してどういう存在でありたいのか」ってことを自問自答したほうがいい、かなって。
白土卓志さん(以下、敬称略。卓志):子どもは育てるんじゃなくて、育つから。もし心配するんだったら、「それは本当はやりすぎなんじゃないか」って、自分たちが介入しすぎていることを心配した方がいい。
石根:な、なんと...... まったく考えもしなかったご意見です......
栄子:最近身をもって感じるのは、子どもは、親から口すっぱく言われるより、体験から学習するのが一番なんだ、ということ。
卓志:そうそう。それで困ることがあれば、本人が変えればいいし、本人が変わらないっていう選択をするならそれでいいし。経験して感じて考えることが、"自分を生きている"ってことだよね。
栄子: 一方で、子どもの興味はどこにあるかわからないから、夢中になれるきっかけを探すのは親の役割なのかも。私は、いろんなところに連れて行ったり、いろんな人に会わせたり、子どもからどんな芽が出るかをいつも観察しているかな。
石根:選択肢を用意するというのは、家族で話していたことでした。子どもが明確にハマる瞬間とか、好きっていう瞬間ってわかりますか?
栄子:好きや苦手も、やりたいことも嫌いなことも、注意深く観察しているとわかってくる。例えば長女は、何かを作ることが好きで、段ボールを細かく切って遊ぶのが好きだし、私たちが見てもすごいと思うものを作る。でも繰り返し同じことをすることが苦手で、公文はさっぱりだった(笑) これも個性だよね。
たぶん長女は、繰り返すことに意味を見出せないんだとおもう。でもバレエは続けているんだよね。同じ練習を何度もしているんだけど、だんだんと足があがってきて、進歩している感覚を自分で掴んでいる。
卓志:弟は全然違って、優しくて温和なんだよね。何かものを買った時、絶対に「お姉ちゃんのも」っていって、もう1つ買う。あと弟の方が1つのことに凝っていて、そこへの集中力があるかな。
石根:お二人とも本当によく観察していらっしゃる...... 確かに、私も年子の姉とは、全く性格も興味も異なります。その個性は、生まれた時から備わっていて、子どものころから表れるものなんですね。
卓志:そうそう。おそらくだけど、石根さん夫婦は二人とも変人で、どう考えても変人が生まれているのは確かだから、その個性を自由に羽ばたけ! それ以外はない!
Q:家族と仕事のバランスの取り方は?
A:バランスはどうやってもとれる!
石根:目からウロコな意見ありがとうございます、根本の考えが覆りました。では、次は「家族と仕事」というテーマです。我が家は共働きで、娘が生まれる前は深夜まで作業が当たり前でした。しかし今は、朝保育園に送り、18時には帰って娘と全力で遊び寝かしつける、休日は1日中娘タイム。生活が180度変わりましたが、正直未だバランスは全然取れていなくて...... 娘への愛情も、仕事も、どちらも中途半端だなという自覚があります。そこで、仕事と子育てどちらも納得のいくようバランスをとるには、どうすればいいのでしょう?
栄子:私は「ワークライフバランス」って言葉が好きじゃなくて。むしろ人生は"偏り"でしかないと思ってるの。子どもと仕事は、時と場合でいつもどちらかに偏る。無理やり均等にしようとした時、「あなたのためにこうしたの」って言われる子どもが迷惑じゃん。
もちろん家庭ごとに用意する環境も偏ると思う、それも娘ちゃんの運命だから。他の子と比べず、娘ちゃんならではの個性を伸ばしてもらったらいいんじゃないかな。エラソーですみません(笑)
卓志:石根さんを見てると、肩肘張って頑張ってるから、どこか固くて変な感じになってる気がする。でもね、バランスは勝手に取れるもの。俺の言っているバランスっていうのは、"時は進んでいく"っていうことね。何が起こっても、時間が勝手に適切な方向に進めてくれるから、長い期間で見るとバランスは取れるんだよ。
だから、子育ても仕事も、こんな感じになっていたらいいという妄想だけしておけばいいんじゃないかな。あとは頑張ろうと思わない。やりたいならやる、抜けるなら抜けていくだけ。
でも、人間は短期間でモノを見がちだから、一人だと不安になりやすい。旦那さんや娘ちゃんと妄想を共有して、家族で同じ価値観を信じることで、バランスはもっと取りやすくなるかもね。
石根:白土家の価値観は何ですか?
栄子:「何でもいい」ってことと、「良いことしか起きない」ってことかな。言葉にすると簡単だけど、どんな状況になっても思い続けるのは結構難しくて。日々の生活や現実の中でいろんなピンチが起きた時に、改めてその価値観に立ち戻ることって、ひとりでやると結構難しいけど、家族と話して共有することで持ち直せるんだよね。
栄子:だから、「全部いいことしか起きない」というスタンスからすると、ご主人と結婚したことも、娘ちゃんが生まれたことも、それは石根さんの夢にとって、必要な要素が揃ってきているってこと。直近の課題に関しては若干ストレスになるかもしれないけど、先の未来から見ていくと、すべてが絶対何かに繋がっているって思いこむ! 仕事も精一杯できていない気もするし、子どもへかける時間と愛情が足りないんじゃないかって思う気持ちがあっても、いいんだよ。ごめんで済むならごめんで済ましたらいい。あいつダメだなって思われて嫌な気持ちになったとしても、それで済むなら済ませればいい。いつか帳尻があうと。はい。私もそう信じています。
卓志:でも、仕事や娘に対して、「ちゃんとやれなくてごめん」って思ってしまったら、ごめんの空間になっちゃうから、思わなくてもいいんじゃないかな。自分のあり方は、自分がオッケーをだしてあげるだけの話だから。自分を認めてあげるのが一番大切だよね。
石根:いやー...... 私も夫との会話の中で、「こうすべきじゃない?」ばかり言っていたなと思いかえしていました。 "べき"って誰が決めたんだろう? って、お二人のお話を聞いていて反省しています。
Q:家族仲良く過ごすには?
A:まずは自分と対話を。その上で夫婦の対話を。
石根:では最後は、「夫婦の仲」というテーマ。これから家族と数十年一緒にいて時間を共有するなかで、夫と喧嘩や議論をしながら、仲良く過ごしたいなと思ってます。そこで、夫婦円満の秘訣を教えてください。
卓志:旦那さんと仲良くしたいなら、まず自分とコミュニケーションをすることがはじめの一歩。だって、いろんな事柄を通して引き起こってくる感情は、相手のせいではなく、自分の中から出てくる反応だから。誰と結婚してどんなに濃い時間を過ごしても、それをどう受け止めるは自分次第だから、まずは自分と向き合うことが大切だよね。
その上で、夫婦が長い時間一緒にいるからこそ起こることがたくさんあるよね。その度に、この人と一緒になれってという何かがあって、苦労もいっぱいあるけど、やっぱり最大限の空間を作れる人なのかもしれないって感じるときが多々あるよ。
栄子:家族という関係の中で、唯一夫婦だけが自分たちの意志からスタートするよね。そこから生活を作っていくには、一時のロマンスだけではなく、パートナーシップを成長させていかなければいけない。でも、特に日本は、夫婦間の仲では中々パートナッシップを実践できない人が多く、お互いが本当はどう生きていきたいか、夢は何なのか、知らないし話もしないと言われてます。
私が行っている夫婦で受けてもらうコーチングを通して伝えたいことは、夫婦はお互いの努力と相互理解が必要だということ。好きで結婚したのに、なぜか会話が少なくなり、一方的な不満が溜まり、お互いの気持ちも見えなくなって、心が繋がらなくなるケースが多くて。でも、お互いきちんとしたコミュニケーションが取れると、分かり合えるし歩みよれる部分が生まれる。アメリカは、パートナーとより良い関係を築くことに関する関心って普通なんだけどね。とても大事なことだから、そのための知識やメソッドをもっと広めたいなと活動してます。
石根:メソッドの一つをぜひ教えてください......!
栄子:うーん、まずはお互いの愛情を感じるポイントは何なのか、愛情を満たすにはお互いにどんな努力ができるのか、話すだけでも理解できるはず。夫婦同士、二人で話す時間を大切にしてほしいです。
石根:この記事を読んで栄子さんのコーチング・家族会議のススメを受けたい夫婦はぜひ連絡を......
栄子:ありがとうございます(笑) いろいろ話したけど、「家族」って、絶対に楽しいと思うの。私は娘のバレエという習い事を通じて、バレエに興味を持つことができた。ものすごい理系でロジカル派の夫と結婚したことで、自分とは180度違う人の価値観と向き合うことができてる。夫と過ごすことで、無農薬野菜の世界も感じることができた。私が一人で生きて行く中では絶対知りえなかった興味関心がたくさんでてくる。その方が絶対面白いよね。
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「まあ何があっても大丈夫だから、家族ライフを楽しんで!」と私に笑いかける白土家は、やっぱり眩しくみえました。
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石根友理恵
LAXIC編集長。IT・スタートアップ業界で7年働き、2017年に子ども出産。現在は会社を経営しながら子育て中。趣味はサウナ。
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ワーママを、楽しく。LAXIC
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LAXICは、「ワーママを、楽しく」をキャッチフレーズに子育ても仕事も自分らしく楽しみたいワーママやワーパパ、彼らを取り巻く人々のための情報を集めたWEBメディアです