PC遠隔操作事件への関与を全面的に認めた片山祐輔被告(32)=威力業務妨害などの罪で公判中=は、早期の裁判終結を願う母親を気遣って河川敷にスマートフォンを埋めて「真犯人メール」を送信したと話していることがわかった。日刊スポーツなどが報じた。
佐藤博史弁護士が5月20日、保釈を取り消された片山被告を検事に引き渡し、その後記者会見した。
佐藤弁護士は行動の背景を「母親を安心させたかった」と、指摘。「いつになったら平穏な日が来るの」と聞かれ、「1日も早く裁判を終わらせたい」と思ったという。本来、予約送信による「真犯人メール」は、実刑判決で収監された瞬間に使うシナリオとして温めていた。「しかし、母の言葉があり前倒しした」(佐藤弁護士)ことが、オウンゴールの引き金となった。佐藤弁護士は「最後までだますつもりだったのではないか。天は見ていたということだ」と、話した。
(日刊スポーツ『母が弱み 片山被告自滅「私が真犯人」』より 2014/05/21 08:48)
佐藤弁護士によると、片山被告は事務所で母親からのメールを見て、涙ぐんだという。
事務所で事件への関与を説明し終え、片山被告がスマートフォンの電源を入れると、母親からのメールが届いていた。「あなたが真犯人だったとしても受け入れる」。そんな文面を読み、片山被告が母親に電話をかけた。「悪かった、悪かった」。こう繰り返しながら、母親からのメールや電話の時だけ、片山被告は涙ぐんだという。
(朝日新聞デジタル「片山被告、母のメールに涙ぐむ PC遠隔操作事件」より 2014/05/21 05:19)
片山被告の母親が支払った保釈金1000万円は、没収される見通しだ。
一方、無罪を主張し続けた片山被告に一連の事件への関与を認めさせたのは、「誤認逮捕という苦渋を味わった警視庁、大阪、神奈川、三重の4警察本部の合同捜査本部による執念ともいえる追跡劇だった」と、毎日新聞は報じている。
15日夕、東京都江戸川区の荒川河川敷。合同捜査本部の捜査員の目は、不審な動きをする片山被告に注がれていた。地面に何かを埋めるような仕草。後で掘り返す時のためか、歩幅を測るようにして埋めた場所を確認している。捜査員らは、この一部始終をビデオに収めていた。
(中略)実は、合同捜査本部は複数の捜査員で片山被告が保釈された今年3月5日から行動確認を続けていた。警視庁から投入されたのは、捜査1課で誘拐などの捜査に当たる精鋭の「特殊班」の捜査員。相手に感づかれずに尾行するプロだった。
(毎日新聞「PC遠隔操作:誤認逮捕の4警察本部…執念の尾行2カ月半」より 2014/05/21 08:06)
片山被告の公判は22日に開かれる予定で、無罪主張をしていた片山被告に改めて起訴内容の認否を問うとみられる。片山被告が弁護団に対して「自分はサイコパス(異常性格者)」などと話していることから、弁護団は、片山被告の精神鑑定の請求をするかどうかを検討している。
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