PRESENTED BY 花王

「美容男子」ブームは幻?いや違う。男性向けヘアケアの先駆者的存在「サクセス」起死回生の秘策とは

10年間売上が停滞。一体なぜ?そして秘策は?担当者を直撃した。
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意外な事実がある。 

男性美容ブームの一方で、男性化粧品市場が伸び悩んでいるという。 

男性用ヘアケアトップブランドである花王のブランド「サクセス」も、ここ10年、売り上げに悩まされてきた。 

若い世代を中心に美容意識の高まりが見られ、スキンケアはもちろんのこと、日常的にメイクをする男性も増えているのに、一体なぜ?

男性向けヘアケアで新市場開拓に貢献するパイオニア的存在、サクセスに聞いた。

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YASUHIRO SUZUKI

身だしなみに求められる、新たな価値

「サクセス」が誕生したのは1987年。その年の流行語大賞の新語部門・表現賞に選ばれた「朝シャン」が象徴するように、社会全体が清潔志向に大きく進んだ頃のこと。

男性向け化粧品がまだ少ない時代において、男性の頭皮と髪を研究した「育毛トニック」「男性向けシャンプー」を発売したパイオニア的存在だ。その後も、男性用シャンプー&コンディショナー市場で9年連続売上No.1*¹を獲得するなど、業界のトップブランドへと成長し、30年以上にわたり男性の身だしなみをサポートしてきた。

そのサクセスが、2020年2月、主力商品の処方改良と全商品ラインナップのデザインを一新。フルモデルチェンジに踏み切った。

背景にあるのは、男性化粧品市場の停滞。男性のスキンケアやメイクへの関心が高まり美容がライフスタイル化する一方で、市場は停滞しており、実際にサクセスもこの10年間売り上げに伸び悩んできたという。

原因は、男性の身だしなみニーズは高まっているのに、そこに応えられる男性向けの化粧品がまだまだ少ないということ。花王グループは、数多くのスキンケア・メイク用品を扱っている。その購買データから、実は、女性向け化粧品を使う若い男性が非常に多いという事実が明らかになったのだ。

そこでサクセスは、男性化粧品市場をさらに拡大させるためには、美容意識の高い若い世代からのニーズにも応えられる、新たな価値を持つ商品が必要だという結論に至った。

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「サクセス」ブランドリニューアル発表会の様子=2月22日、東京都中央区の花王本社
YASUHIRO SUZUKI

明日に向けて“清潔感を備えるケア”が、市場の起爆剤に?

近年、若い世代を中心に「身だしなみにより日中の清潔感を保ち、自信を得たい」と考える男性は多く、機能性インナーや、男性用デオドラント製品が人気を集めている。さらに同社の調査によると、シャンプーに関しては、「その日の汚れを落とすこと」に加え、20〜40代男性の約4割が「翌日の清潔な自分への備え」として使用していることがわかった。*²

サクセスは、こうしたニーズの変化に合わせて、主力商品の処方改良と全商品ラインナップのデザインを一新するフルモデルチェンジを実施。「明日に向けての清潔感を備えるケア」=「清潔感のスタンバイ」と名付け、日中の清潔感をキープする新商品を発売。男性化粧品市場の起爆剤とする狙いだという。

ブランドのフルモデルチェンジにより市場の活性化を目指す「清潔感のスタンバイ」とは? ブランドマネジャーの水町直樹さんに話を聞いた。

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花王株式会社 ヘアケア事業部で「サクセス」のブランドマネジャーを務める水町直樹さん
YASUHIRO SUZUKI

── この30年で男性の「身だしなみ」は大きく変化してきましたが、どのような背景があるのでしょうか

水町さん(以下、水町) 男性の美容意識の高まりにはSNSが大きく影響していると感じています。スキンケアに関しては男女関係なく、口コミが重視されますよね。今はSNSでいろいろな口コミを見ることができ、男性も美容に関する情報を入手しやすくなった。購入者のデータからも、女性向けのスキンケア商品や化粧品を使う男性が非常に多いということがわかっています。 

男性の美容意識は高まっている一方で、男性化粧品市場は停滞気味。どうしたら市場を盛り上げ、サクセスの売上を伸ばすことができるのか考えてきました。

試行錯誤を経て、サクセスは美容意識の高い若い世代の男性たちも使いやすく、「明日に向けて清潔感を備えるケア」というニーズにも応える商品を作ることに。商品ラインナップの変化だけでなく、ブランドターゲットの若返りを図った大規模なブランドリニューアルに踏み切ったのです。

── そこで新たに提案するのが、「清潔感のスタンバイ」という概念ですね。

水町 「サクセス」は、30年前に男性の頭髪や肌の研究をベースに「清潔でさわやかな身だしなみを習慣づけるための商品」として開発されたブランドですが、これまでも時代によって変化するニーズに応じて、市場創造型の新商品提案、ブランドリニューアルを繰り返してきました。

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「サクセスシリーズを長く使ってくださっている方もいる。時代によって変化するニーズに合わせてアップデートすることも必要だが、変えないところは変えないという信念も大切」と水町さん
YASUHIRO SUZUKI

今回は、ブランドの若返りと男性化粧品市場の活性化を主な目的として、「明日に向けて、清潔感を備えるケア」=「清潔感のスタンバイ」という概念を提案しました。 

男性の身だしなみは、行動自体に大きな変化がみられるわけではないのですが、ケアに対する目的や意識に変化が起きていると思います。日中の清潔感をキープしたり、常に整った自分でいるために準備をしたり...。単に清潔にするということだけではなく、その先にある価値が求められています。そのポイントになるのが清潔感を備えるケア」という考え方であり、フルモデルチェンジのキーワード「スタンバイ」です。

── 「清潔感のスタンバイ」のために求められているのは、どのような商品なのでしょうか。 

水町 最近は、「ニオイ」や「ベタつき」に対するケアが重視される傾向にあります。ところが、頭皮や髪は日中、出先でのケアがしづらく、ニオイなども自分では確認できないため、特に気にしている男性が多いという印象です。

そこでサクセスでは、汗をかいても年齢を重ねても、清潔感をキープして日中を過ごせる商品を揃えています。例えば、幣社の柔軟剤「フレアフレグランス」の技術を応用し、機能性香料が汗に反応して発香することで日中の頭皮臭を防ぐコンディショナーを新たに開発しました。この商品は2019年春に発売し、予想以上の売れ行きに。「スタンバイニーズ」への手応えを感じていますね。

── 「男性美容」の今後についてどのようにお考えですか。  

水町 「スタンバイ」が提供できるのは、日中を快適に過ごすことに加え、自信を持っていろいろなことに挑戦できるようサポートすることだと考えています。男性の美容を流行ではなく習慣にして、サクセスが「頼れるパートナー」のような存在になればいいですよね。そのためにも、生活者のニーズに耳を傾けながら、商品のアップデートを続けていく必要があります。

男性の美容意識が高まっている中で、男性用化粧品にもユニークな価値、新たな価値が求められていると強く感じています。「スタンバイ」もその一つ。明日に向けての清潔感を備えるケア商品をもっとたくさん開発し、市場を盛り上げて行けたらうれしいですね。

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向かって右側が、新たなラインナップ「サクセス24」。ジェンダーレスなデザインのパッケージにもこだわり、「女性にもぜひ使ってほしいです」と話した
YASUHIRO SUZUKI
*1 インテージSRIデータ 男性用シャンプー&コンディショナー市場 2011年1月~2019年12月サクセスシリーズ累計販売金額
*2 2019年12月 花王調べ