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関西学院 佐竹教授とDELL執行役員が語った「なぜ大阪でミニMBAコースを開講するのか?」

DELLと関西学院が、リカレント教育のミニMBAコースを開講
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世界的なPCメーカー、デル株式会社 広域営業統括本部プレゼンツの同社上席執行役員の清水博さんによるブログが連載中です。第14弾は、デルが関西学院とミニMBAコースを大阪の中堅・中小企業に向けて開講する背景について、テレビでもお馴染みの中小・中堅企業経営のスペシャリストの関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科長 佐竹隆幸教授との対談です。

 

2019年をどう総括するか

清水「昨年、私たちの本部は、2年前から検討していた大阪進出計画を具体的に進めることができました。9月中旬に大阪堂島にオフィスを構えたのですが、昨年は、大阪府北部地震や大阪万博決定など、とてもいろいろなことがあった年だったと思います。先生にとって昨年は、どのような1年だったでしょうか?」

佐竹「平成の時代の最後にあって、平成を象徴する年になったと思います。災害の年だったとも言えます。また、大阪万博の開催決定は、入管法の改定などと合わせて、今後見据えるグローバル化に向けて大きな変化の年だったと思います」

清水「先生の著書には、1970年の万博には、183日間の会期中、約90日は会場に足を運んだと記されています。そこで、興味のある分野を深く追求し整理する能力が磨かれ、学者としてのベースが築かれたようですね」

佐竹「私は、万博オタクです。1970年の日本万国博覧会(大阪)、1975年の沖縄国際海洋博覧会、1985年の国際科学技術博覧会(筑波)、1990年の国際花と緑の博覧会(大阪)、2005年の日本国際博覧会(名古屋 愛・地球博)の全てのパビリオンに行っています」

清水「それはすごいですね。2025年に大阪で開催される国際博覧会(大阪・関西万博)に期待することは何ですか?」

佐竹「人が集まるようなイベントは是非やった方がいい。インバウンドの時代の中にあり、積極的に集客し、人を集めている地域は活性化しています。企業経営の極意と同じで、きっかけがあり、何が何でもできると思ったチャンスの時にはやった方がいいと思っています」

清水「最近では、スマホ決済の100億円キャンペーンもとても話題になりました」

佐竹「1年でユビキタスからアンビエントへ加速度的に変わった年だと言えます。中国に出張に行った時も支払の仕方で痛感しました。支払いがスマホで誰でも確実に出来る時代になったことが、自分自身にはとても大きな変化であり、アンビエントになった年だと感じています」 

清水「様々な変化がすでに始まっていますし、今後、この大阪で大きな変化が起きることを強く感じています。そのような年に、関西学院大学と『MBAエッセンシャルズ』コースの開催が決定されたのも何か運命を感じます」

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中小・中堅のグローバル展開に伝えたいこと

清水「グローバルに出ていくお客様のお話をお伺いしても、トランプ大統領就任以降、もう一度グローバルマーケットに対して挑戦する中小・中堅企業のお客様は多くなっています。先生がアドバイスされることは何でしょうか?」

佐竹「グローカルの時代と考えます。中小・中堅企業における海外展開でまず考えることは、“Think globally. Act locally” 。現状課題の克服や将来展望の構築を図るうえで必須です。グローバルな視点は必要ですが、地球規模で考えながら、自分の地域で活動する視点と姿勢を持つことも大切です」

清水「海外にいると、活躍している大阪や関西の人が多いように思えます」

佐竹「郷に入っては郷に従えといわれますが、それだけでは失敗している企業が多いです。中小・中堅企業のグローバル戦略では、”Copy Exactly” を標榜すべきです。海外に進出した企業は、地域の特性に応じた経営を行うのではなく、日本の事業所をそっくりそのまま持っていくような体制づくりが求められます。大阪や関西の人は、ひとたび信頼関係ができると、情報の交換などが積極的になり有益な示唆を得られるので、海外の地であっても活躍する人が多いのだと思います」

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参加すべきと思われるプラットフォームを目指す

佐竹「今回のコースにおいてもプラットフォームの形成ができるかが鍵になっていると考えています。私は、過去いろいろなコミュニティと関わっていますが、自分の情報をさらけ出し、自分から情報を収集するという基本姿勢が必要だと思います」

清水「確かに、大阪のセミナーに参加されるお客様は意見交換が積極的です。セミナー終了後にも、情報交換をより積極的にするために、お客様同士で夜飲みに行かれたりもされているようです」

佐竹「私が参加しているコミュニティでは、自社の決算書を持ち寄って、参加メンバーでいろいろな意見を出し合います。その場で、『海外に出るべきだ』など企業戦略に関わるアドバイスも出るような自由闊達な雰囲気です。そして、それが現実化することもあるのです」

清水「中長期的に先を見据えて、時間をかけて信頼関係ができるプラットフォームにしていきたいですね」

佐竹「講義終了後は、飲み会を開いて本音でしゃべることができるのが関西人の文化です。グローバルな展開もそうですし、外国人の雇用についても徹底的にそういう場で議論し、先達企業の真似をしていくのも関西文化の一つだと言えると思います」

 

おもてなしのプロとしての人財育成

清水「佐竹先生は世界遺産の旅行や、食べ歩きがご趣味のようですが、どのようなお店がお好みでしょうか?」

佐竹「私は、フレンチでもイタリアンでも中華料理、どのようなお店でも、お店に入って、注文しないで、こちらの期待や気持ちを汲んでもらい、座っていれば、メニューを組み立て出してくれるお店が大好きです。心遣いが溢れていることに感動を覚えます」

清水「おもてなしということでしょうか?」

佐竹「シェフの食材へのこだわり、自分が食べて本当に美味しいものを最高の状態で提供する。親近感を醸し出して、私たちが心からリラックスして料理を味わい、場を楽しめるように自然と配慮されているなど、ビジネスに通じる部分も感じます」

清水「先生の著書にも成功した企業経営者の話として『おもてなしのプロとして、お客様への気配りが十分に果たせるような人を志し、人材教育にいちだんと注力したい』とありますが、どこの企業でも必要な『人財』育成が喫緊の課題で、経営者のみならず、参加される情シス部門の方でも総務部の方でもおもてなしを考慮したコミュニケーションは、今後の企業経営や社外ネットワーク作りなどでも重要な課題だと思います」

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事業承継の考え方

清水「今、様々な会社で事業承継が課題となっております。単に経営者の代替わりだけではなく、それぞれの部門の技術や人材の継承、情報システムなどの情報資産の伝承など、事業承継という問題は多岐に渡っていると思います」

佐竹「技能は『継承』するもので、事業は『承継』するものです。技能継承は、先に身に付けてから継ぐもので、事業承継とは、まず承ることを決断してから継ぐものですので、それぞれ軌道に乗るまでは時間がかかります。しかも、私は、事業承継の4段階というものを意識してもらうことを大切にしています。理念の承継、経営の承継、議決権の承継、歴史の承継です。しかし、最近ではこれだけでは不完全です」

清水「著書の中で説明されているケーススタディの中で、下請企業同士がM&Aをして事業承継している事例はとても興味を持ちました」

佐竹「現代的な組織構築の中には、M&Aや創業を前提にして事業承継者を募るなど、新しい方向性を見据える必要があります。そのようなシステムをこのコースで作っていけたらいいと考えています」

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人材不足

清水「中小・中堅企業でも、IT業界でも、日本中どこでも人材不足だと言われています。先生のお考えはいかがでしょうか?」

佐竹「どのように採用するのかという議論も重要ですが、まず現在働いている仲間の社員を辞めさせないようにする施策が重要です」

清水「エクセレントカンパニーは、皆そのような施策を考えていますね」

佐竹「地域や企業で多様性を活かすという点で『ダイバーシティ・マネジメント』は必要です。『ダイバーシティ』とは『多様性』という意味ですが、企業経営においても、職場に女性や非正規社員をはじめ、さまざまな年代やワークスタイルの人、『アクティブシニア』『第二新卒』『外国人』『障がい者』を見直し、変革するマネジメント・アプローチは重要です」

 

DELL × 関西学院大学 MBAエッセンシャルズとは?

清水「今、ビジネスマンはとても忙しく、特に中小・中堅企業の幹部社員はさらに忙しい状況かと思います。しかし、向学心が高い方々も多く、アカデミックな教育の機会は望まれています。先生が監修されたコースの特徴はどのようなものでしょうか?」

佐竹「関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科のMBA教育プログラムのプレ(事前)コースとしても位置付けられ、現在において重要なトピックスにフォーカスし、MBA教育プログラムの中核科目で実施します」

清水「大阪・関西圏を考慮し、テーマ設定された内容で、とても参加しやすいコースにデザインしていただいたことに大変感謝しております。新年度に入って一段落ついた6月から、8日間で隔週開催、夜18:30から21:00までの時間で、会場は梅田駅周辺ですので、時間・場所とも大阪のお客様には通いやすいです。『理論と実践』から経営を学ぶ MBAエッセンシャルズとのタイトルで開催しますが、今から興味津々です」

佐竹「まず来てください!そして、このプラットフォームに参加してください!と考えています。企業にとっての最大のリスクヘッジは、『学ぶこと』です。ここで学び、情報を自ら発信し、情報を収集することで、今後激変する経営環境の変化に追従できます」

清水「理論と実践の融合を教える大学院の一線の先生の知に直接触れることができるのは、とても刺激的だと思いますし、同じことを学ぶ仲間との出会いもあり、違った角度の意見も得られるはずです。私もかつてそのような機会を求めてビジネススクールに進学しました。そのようなことを期待されている参加者もいらっしゃるのではと思います。今から、参加される皆様とお会いするのが楽しみです」

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佐竹 隆幸 氏 プロフィール
関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科長・教授 

関西学院中学部・高等部を経て、1983年関西学院大学経済学部卒業、1990年関西学院大学大学院経済学研究科博士後期課程退学、兵庫県立大学(旧神戸商科大学)教授を経て、兵庫県立大学名誉教授。中小企業・産業構造・企業倫理・地域振興を中心に研究活動に従事。 日本中小企業学会副会長、兵庫県参与、兵庫県中小企業家同友会顧問、ひょうご産業活性化センター評議員、啓明学院理事、兵庫県芸術文化協会理事、その他尼崎市・吹田市・たつの市・三木市・加東市等審議会会長など行政・経済団体等の役職を務める。メック㈱取締役(社外) 、神鋼鋼線工業㈱取締役(社外)。全国各地で講演・研修実績をもつ。サンテレビ「しごとびと」、ラジオ関西「時間です!林編集長」のレギュラーコメンテーターを務める。著書:『中小企業存立論―経営の課題と政策の行方―』(ミネルヴァ書房、2008年)、『「地」的経営のすすめ』(神戸新聞総合出版センター、2012年)、『「人」財経営のすすめ』(神戸新聞総合出版センター、2014年)、編著書:『中小企業のベンチャー・イノベーション』(ミネルヴァ書房、2002年)、『現代中小企業の海外事業展開』(ミネルヴァ書房、2014年)、『現代中小企業のソーシャル・イノベーション』(同友館、2017年)。主な担当科目:企業倫理、経営学、中小企業経営、地域振興

 

コース概要

<コース科目>

第1回 MBA入門・経営学「MBAで学ぶとは 日本経済と企業経営」
関西学院大学経営戦略研究科長・教授 兵庫県参与 佐竹 隆幸 氏

第2回 金融政策「日本の金融と企業の資金調達」
関西学院大学経済学部教授 田中 敦 氏

第3回 経営革新「事業性評価とリーンスタートアップ」
関西学院大学経営戦略研究科教授 西本 凌 氏

第4回 マネジメント「MBAで培った理論と実践による経営革新」対談形式
関西学院大学経営戦略研究科修了生 現在調整中(業界をリードする企業経営者)
関西学院大学経営戦略研究科前研究科長・教授 佐藤 善信 氏

第5回 イノベーション経営「ディスラプティブ・イノベーションの脅威と対抗策」
関西学院大学経営戦略研究科副研究科長・教授 玉田 俊平太 氏

第6回 統計学・ファイナンス「知的資産の定量化手法」
関西学院大学名誉教授
京都情報大学院大学教授 甲斐 良隆 氏

第7回 経営管理論「決算書の読み方、分析の仕方」 
関西学院大学経営戦略研究科教授 加藤 雄士 氏

第8回 マーケティング「中小中堅企業の経営戦略とマーケティング」
関西学院大学経営戦略研究科前研究科長・教授 佐藤 善信 氏

 

<コース詳細>

コース参加対象者:
大阪・関西の中堅企業(従業員100名から1000名未満)の経営者層や経営幹部候補、及び総務部、情報システム担当者など。ひとり情シス、総務部兼情シスの方。デル株式会社 広域営業統括本部のお客様。

日程:
2019年6月~7月、9月~10月隔週開催、18:30 – 21:00。全8回(8日間)

場所:
デル株式会社 西日本支社
〒530-0003 大阪市北区堂島1丁目5-30 堂島プラザビル11F,12F

関西学院大学 大阪梅田キャンパス K.G.ハブスクエア大阪
〒530-0013 大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー10階・14階

校長・監修:関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科長・教授 兵庫県参与 佐竹 隆幸 氏
主宰・事務局:デル株式会社 上席執行役員 広域営業統括本部長 清水 博 氏

問い合わせ先:デル事務局
Tel: 03-6893-2307 (受付時間 平日9:00 - 18:00、土・日・祝を除く)
dell_event@creativebank.co.jp

コース詳細は、こちらをご参照下さい。

 

デル株式会社 上席執行役員 広域営業統括本部長 清水 博

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横河ヒューレット・パッカード入社後、日本ヒューレット・パッカードに約20年間在籍し、国内と海外(シンガポール、タイ、フランス、本社出向)においてセールス&マーケティング業務に携わり、アジア太平洋本部のダイレクターを歴任する。2015年、デルに入社。パートナーの立ち上げに関わるマーケティングを手がけた後、日本法人として全社のマーケティングを統括。現在、従業員100名以上1000名未満までの大企業、中堅企業をターゲットにしたビジネス活動を統括している。自部門がグローバルナンバーワン部門として表彰され、アジア太平洋地区管理職でトップ1%のエクセレンスリーダーに選出される。産学連携活動とし、近畿大学と共同のCIO養成講座を主宰する。著書に「ひとり情シス」(東洋経済新報社)。AmazonのIT・情報社会のカテゴリーでベストセラー。早稲田大学、オクラホマ市大学でMBA(経営学修士)修了。