韓国で妻を強姦、夫に懲役7年とGPS付き足輪10年の有罪判決

性犯罪者にGPS付きの足輪を装着させる制度が2008年から導入されている。
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韓国で、妻を強姦した男性に有罪判決が下された。従来は婚姻関係にある夫婦間での強姦は罰せないという解釈をしてきたが、2013年から被害者側の性の自己決定権への侵害に重きを置いた判決を下すようになった。

韓国の中南部・全州地裁第2刑事部は9月7日、夫(57)に懲役7年、身元情報公開7年、GPS付き足輪の取り付け10年、そして80時間の性的暴力治療プログラムの履修を言い渡した。妻を強姦した犯行に対する判決だった。

ハンギョレによると、事件は2016年6月10日午後8時に起こった。夫と妻が婚姻届を提出してからわずか1カ月も経っていなかった時だった。

夕食の途中、妻は涙を流した。実家の母親を思い出したためだ。この時、夫は「なぜ食事の雰囲気を壊すのか」と妻の頭を殴り、性的暴行した。このことで妻は全治6週間の負傷を負った。

これに対して夫は「夫婦げんかが終わって和解して合意し、性関係をもった」として、容疑を否認した。しかし、妻は「叩かれると思って抵抗しなかった。性関係は絶対に同意しなかった」と反論した。

夫は、こうした犯罪を犯したのは初めてではなかった。警察の捜査の結果、彼は過去に同居していた女性に強制的に服を脱がせて暴行した前科があることが発覚した。

ニュース1によると、同日の判決では「婚姻関係が破綻した場合だけでなく、婚姻関係が実質的に維持されている場合にも反抗が不可能なほどの暴行や脅迫を加えた状況で夫婦関係がなされたなら、強姦罪が成立すると見なければならないというのが最高裁の判断」とし、「この事件の場合、当時の状況と供述、証拠を考慮すると、妻の性の自己決定権が根本的に侵害されたと判断される」との判決を下した。

また、「罪の性質と罪状の重さにもかかわらず、夫が犯行をすべて否認し一貫して言い訳をしている点、妻が夫を許していない点、再犯行である点などを考慮し量刑を決めた」と懲役7年とした理由を明らかにした。

夫婦間でも強姦罪が成立する

韓国の法制処のウェブサイトによると、韓国の最高裁判所にあたる大法院は、従来、婚姻関係が実質的に維持されている夫婦では、強姦罪は成立しないとみなしていた。

しかし2013年の全員合議体(韓国の司法体系での最高議決機関)での判決によって刑法の新しい解釈が示され、現在は夫婦間でも強姦罪が成立すると解釈されている。この判決では女性の持つ性の自己決定権が重視されたためだ。

韓国では、性犯罪者を監視し再犯を防止する目的で、性犯罪者に対して最長10年間、GPS付きの足輪を装着させる、新しい制度が2008年から導入されている。

ハフポスト韓国版より翻訳・加筆しました。