「今まで隠しててごめんなさい」両親が告げた衝撃の事実とは?予想の斜め上すぎるウェブ漫画

「オチが壮大すぎる」「星新一のショートショートにありそう」などと反響を呼んでいます。
|

「私の両親は本当の親じゃないのかも……」。海外旅行に行くのを渋るし、親戚の家にも連れていってくれない。小さい頃の両親の記憶とも違う気がする。そんな疑念が膨らんだ女子生徒を待っていたのは、想像を超える両親の言葉だった。

計4ページの短編漫画「両親のかくしごと」が、「起承転結の転が場外ホームラン級」「オチが壮大すぎる」「星新一のショートショートにありそう」などと反響を呼んでいる。

Open Image Modal
『両親のかくしごと』1ページ目
Twitter/comic_gift_web
Open Image Modal
『両親のかくしごと』2ページ目
Twitter/comic_gift_web
Open Image Modal
『両親のかくしごと』3ページ目
Twitter/comic_gift_web
Open Image Modal
『両親のかくしごと』4ページ目
Twitter/comic_gift_web

 

■発想の源は「シミュレーション仮説」

Twitter上で作品を公開する個人運営のWebマガジン「comic gift(@comic_gift_web)」で3月24日に掲載。そこから2日間で約1万3000回もリツイートされた。ハフポスト日本版では作者の「on(9999_on)」さんに取材した。

 onさんによると、この作品を発想したきっかけは「シミュレーション仮説」だったという。これは、人類は何者かが作り出したコンピューターシミュレーションの世界に生きていて、それを知らずにいるという仮説だ。オックスフォード大学の哲学者、ニック・ボストロムさんが提唱したもので、SF映画「マトリックス」の設定にも通じるものがある。

 

――「両親のかくしごと」のリツイート回数が一日足らずに1万回以上になっていますが、こうした反響をどう感じていますか?

非常に驚いています。自分のアカウントに投稿してもこのように大きな反響をいただくことはまずあり得なかったと思うので、掲載いただいた「comic gift」さんにはとても感謝しています。

――後半の意外な展開は星新一のショートショートを連想したのですが、影響は受けましたか?

 星新一さんは意外な展開やダークなオチでも軽妙な筆致とコミカルなキャラクター描写で印象深い読後感を残される作家さんですので、そういったところも通ずる部分があると捉えていただけていたら大変光栄です。

――「両親のかくしごと」は、どんなところから発案されたのでしょう?

発案の元は、私たちが生きているこの世界は誰かに作られたものである…という「シミュレーション仮説」からです。もし自分以外の世界が作りものだとしたら?その理由は?などと連想していき今回の漫画のネタを考えました。こうした思考実験は大好きで普段からよく行っています。

――執筆にあたり苦労したことは?

この漫画は元々長編のシリアスな内容で考えていたのですが、どうにもまとまらず今回応募するにあたって4Pのショートコメディーに話を練り直しました。

なので途中の急展開からどう上手くオチをつけたらいいのか…と結構悩んだのですが、結果的に今後を色々と想像できるような上手いオチをつけられたのではないかと思います。

――comic giftに応募された理由は?

comic giftさんのことは好きな作家さんが寄稿されているのを見て知ったのですが、掲載されているのが面白い漫画ばかりでかつ自分の作風に似ているところがあると思ったので、こちらに掲載していただければより多くの人に自分の漫画を見てもらえると考え応募しました。

――個人運営のcomic giftの試みをどう感じますか?

まずcomic giftさんのことを初めて知った時は、個人で運営されていてしかも原稿料を自腹で!お支払いされているということで、こんな編集者さん現実に存在するのか!?と驚愕しました。今は多くの無料漫画配信サイトがありますが、Twitter上で公開されるウェブマガジンというものは今までにない試みですし、とても面白いと思います。個人で描いた漫画が「バズる」現象はもちろん作品の面白さが第一の理由ですが、偶然の要素も多いです。comic giftさんはそこを拾い上げてくれるような存在ですし、今後もっと多くの作家さんと読者さんを繋げていってくれるのではないかと思います。

――pixivやTwitterなどで作品を発表されてますが、同人誌を作成されたり、商業誌に掲載された経験はありましたか?

商業誌に掲載された経験はありません。同人誌は今後コミティアなどで今までの短編をまとめたウェブ再録集を出せたらいいな、と考えています。