PRESENTED BY カゴメ

東日本大震災の逆境を乗り越えた果実の味わいを全国へ届けたい。ある飲料に込められた思いとは?

宮城県オリジナルのいちご品種「もういっこ」。真摯に農業を営む生産者を応援するプロジェクトに迫る。

野菜や果実──私たちは日々、それらを何気なく手にすることが多いが、日本には真摯に農業を営む生産者が数多くいる。そんな生産者たちを応援するのが、カゴメの「地産全消 笑顔をつなぐプロジェクト」だ。

2010年から始まった同プロジェクトでは、「野菜生活100 地産全消シリーズ」として、24道県の果実を全国に紹介してきた。

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これまで、「野菜生活100沖縄シークヮーサーミックス」「野菜生活100 濃厚果実 宮崎マンゴーミックス」など、日本全国の果実の味わいに仕上げた季節限定「野菜生活100地産全消シリーズ」を展開してきた

2024年冬の新作となるのが、「野菜生活100 濃厚果実 宮城もういっこミックス」だ。「もういっこ」は、宮城県オリジナルのいちご品種。東日本大震災で大きな被害を受けた農家が、13年かけて生産量を回復させてきた。その道のりや「地産全消 笑顔をつなぐプロジェクト」に込められた思いについて、「もういっこ」の生産農家のうちのおひとり・嶋田栄一さんとカゴメの中野優馬さんに聞いた。

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左から、宮城県で「もういっこ」を生産する農家のおひとりの嶋田栄一さんと、「野菜生活100地産全消シリーズ」の企画を担うカゴメ株式会社マーケティング本部飲料企画部の中野優馬さん
photo by 川しまゆうこ

東北一といわれる、いちごの産地へ

まず訪れたのは、宮城県仙台市から車で1時間ほど、東北一のいちごの産地といわれる亘理郡山元町。嶋田さんのハウスに一歩足を踏み入れると、甘酸っぱいいちごの香りに包まれる。ハウスでは収穫シーズンが始まったばかり。真っ赤に色づきはじめた「もういっこ」が出迎えてくれた。

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30アール(3000㎡)のハウスの中では、少しずついちごが色づき始めていた
photo by 川しまゆうこ

「もういっこ」には、一つ食べるとおいしくて、ついつい「もう一個」と手を出してしまうという意味が込められている。糖度と酸味のバランスがよく、すっきりとした甘さが特徴だ。「果肉はみずみずしく、大玉で食べ応えがあります。香りも後味も、とてもいいんです」(嶋田さん)。農家3代目となる嶋田さんは、家族で農園を営み、「もういっこ」の生産量は年間4〜5トンを誇る。

東日本大震災で施設が全壊

だが、現在の生産体制にたどり着くまでには、大きな苦難があった。宮城県亘理郡は2011年、東日本大震災で津波に襲われ、嶋田さん自身も甚大な被害を受けた。

「この辺りにも4〜5mくらいの津波がきて、いちごの施設がすべて流されました。新築だった自宅と倉庫も全壊。農業機械も資材もほぼ100%なくなってしまいました」

再チャレンジを後押ししてくれた言葉

震災後、3年半ほど別の仕事についていた嶋田さん。だが、少しずつ、いちごの生産に再チャレンジする意欲が高まっていった。

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「もういっこ」について教えてくれた嶋田さん
photo by 川しまゆうこ

「ショックがかなり大きくて、一時はどうしようか悩みました。でも、『嶋田さんのいちごはおいしいから、すごく楽しみにしていたんだよね』『もう一回やらないの?』そんな皆さんの声がけが、心のどこかに引っかかっていて。農協や自治体、全国の皆様から支援をいただけることになり、『これは最後のチャンスだ』と、いちご農家の再開を決めたんです」(嶋田さん)

思うように収穫できない時期も

いちご農家を再開した後も、決して順風満帆だったわけではない。土地が塩害を受けたため、これまでの土耕栽培から高設栽培(地面より高い場所で、土の代わりにヤシガラなどを用いて栽培する方法)へと変えたが、思うように収穫できない時期も。

「同じいちごづくりですが、(高設栽培を)いざやってみるとわからないことがたくさんあって。仲間たちと勉強会をしながら、少しずつ学んでいきました」

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大玉の「もういっこ」を一つずつ丁寧に収穫する嶋田さん
photo by 川しまゆうこ

全国に「もういっこ」を知ってもらいたい

そういった努力が実り、現在、面積あたりの収穫量は震災前を上回るようになった。しかし、嶋田さんはさらに先を見ている。「成功したという実感は、まだないです。むしろ、伸びしろしかない、これからだと思っています」

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真っ赤に色づく「もういっこ」。3月〜4月の繁忙期は、4時半から22時頃まで作業。今はデジタル管理システムもあるが、温度などの微妙な管理は、経験や勘を頼りに手動で行うという
photo by 川しまゆうこ

「『地産全消 笑顔をつなぐプロジェクト』をきっかけに『宮城にも、こんなにおいしいいちごがある』と全国の皆様にぜひ知っていただきたいです」

「地産全消 笑顔をつなぐプロジェクト」に込めた思い

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中野優馬さん
photo by 川しまゆうこ

嶋田さんがいちごを提供する「地産全消 笑顔をつなぐプロジェクト」について、カゴメの中野さんは次のように語る。

「コンセプトは『地域のおいしさを全国の皆様にお届けしたい』。全国には果実品種がたくさんありますが、中には一つの地域だけで消費されているものも。そのような品種の味わいも、『野菜生活100』ブランドを通して全国の皆様に気軽に楽しんでいただきたいというのが、大きな意義の一つです」

 47都道府県の農業に寄り添う飲料へ

「(『もういっこ』は)東日本大震災で大きな被害を受けてしまいましたが、地元の方々の多大なるご尽力によって、生産量を回復されています。そのような逆境を乗り越えてきた果実の味わいを、全国の皆様にお届けしたいという強い思いがあります」

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photo by 川しまゆうこ 撮影場所:WeWork 乃木坂

嶋田さんをはじめ、全国の生産者からの期待も大きい。「『このプロジェクトに関われることが嬉しい。自身の果実品種の知名度を全国的に上げていきたい』という声に、しっかりと応えていければと考えています。ゆくゆくは47都道府県の果実を紹介し、全国の農業に寄り添い代表する飲料にまで育てていきたいです」(中野さん)

あえて野菜と果実をミックスし、リアルな味わいを再現

気になるのはその味わいだが、同シリーズでは、あえて野菜と果実をミックスすることで、再現したい果実の味わいをよりパワーアップさせている。例えばブドウの商品では、野菜の苦みがブドウの皮感を感じさせ、リアルな風味に繋がるという。

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※画像はイメージです

いちごの場合も同様だ。「そのまま搾っても、実際にいちごをかじったときの味わいとは変わってしまいます。しかし『野菜生活100 濃厚果実 宮城もういっこミックス』は、野菜汁をミックスすることで、リアルな味わいを、とことんつくりあげています。果実の味わいを楽しんでいただくとともに、ぜひ、その土地に足を運んだかのように感じながら、リフレッシュタイムなどに活用いただければと思います」(中野さん)

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photo by 川しまゆうこ

地域のおいしさを全国に届ける「地産全消 笑顔をつなぐプロジェクト」。「野菜生活100 濃厚果実 宮城もういっこミックス」を口にすると、本当に酸味と甘味のバランスよい味わいで、いちご農園の景色と嶋田さんの穏やかな笑顔が目に浮かぶようだった。

「野菜生活100 濃厚果実 宮城もういっこミックス」は、2025年3月上旬までの期間限定(在庫がなくなり次第、販売終了)。ほっと一息つきたい時、ぜひ手にとってみてはいかがだろうか?

 

 

※「野菜生活100 濃厚果実 宮城もういっこミックス」は、野菜汁50%+果汁50%=100%

(取材撮影・川しまゆうこ)