PRESENTED BY カゴメ

「人手不足の農家をサポートしたい」カゴメが持続可能な農業を目指して開発した「KTH」とは?

カゴメと農業機械メーカーが約6年をかけて共同開発した加工用トマト収穫機「Kagome Tomato Harvester(KTH)」について紹介します。

創業以来125年にわたって野菜や果実などの栽培と向き合ってきたカゴメは、持続可能な農業の発展のために、様々な取り組みを実施しています。

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近年、農業において特に深刻化している課題のひとつが、農業従事者の高齢化や人手不足です。栽培を中止したり規模を縮小したりする生産者が増えています。一方、健康志向の高まりなどから、国内加工用トマトの必要量は近年、増加しています。

作業効率3倍!農家の窮地を救う「加工用トマト収穫機」

農家にとって、最も負担が高い作業は収穫作業といわれます。農林水産省の品目別経営統計(*1)によると、大玉トマトの露路栽培(夏秋)にかかる労働時間は農家1戸当たり、年間で約1297時間と膨大です。そのうち、収穫が約343時間で全体の26%ほどを占めています。同調査は2007年に終了しているため、人手不足が進んでいる現在の状況を加味すると、作業の効率化が重要だということがうかがえます。

カゴメでは、農家のサポートとして、加工用トマトの収穫機「Kagome Tomato Harvester(KTH)」を全国の契約農家の皆さんに貸し出しています。

農業機械メーカーとカゴメが、2009年から約6年間もの期間をかけて共同開発した、このKTH。実際に導入してみると、従来の手での収穫と比べて60%程度削減できたという報告もあります。

海外では、これまでも加工用トマトの収穫機が活用されていましたが、国内ではあまり普及していませんでした。その理由として、日本の圃場(農作物を栽培するための場所)は海外に比べて小規模なことが多く、輸入したトマト収穫機では日本の圃場に合わなかったことがあげられます。KTHは、日本の圃場に適合したコンパクトな設計であることが特徴です。

カゴメが保有しているKTHは31台で、カゴメの国内加工用トマトにおいて、全作付け面積の38%(約120ha)でKTHが使用されています(2024年時点)。使用されているエリアは北海道、岩手、茨城、青森、山形、滋賀、栃木、宮城、群馬、広島、福島など広範囲にわたります。国内トマト加工メーカー数社にも販売し、使用されています。

また、カゴメでは、農業の人手不足の解消のため機械収穫機の導入を進めてきました。その収穫機をより使いやすく生産効率の高いものとするため、圃場での調査や農家さんとの意見交換を直近2年ほど行い、メーカーであるヤンマー様と試行錯誤し収獲ロスを少なくできる改良機の製作に成功し、24年から使用開始しました。持続的な農業の実現を目指し、更なる効率化に向けた挑戦を続けています。

AIも活用した「未来の農業」への取り組み

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カゴメでは、持続可能な農業の開発に向けて、AIの活用にも注力しています。

例えば、生鮮トマトの需給調整に重要な情報となる収集予測の精度を高めることを目的に、カゴメアグリフレッシュとエイゾスと共同で、AIを活用した生鮮トマト収量予測システムを開発。2022年2月よりカゴメブランドの生鮮トマトを栽培する大型菜園5拠点に導入しました。

本システムは、全国の契約菜園から蓄積した栽培技術・管理に関する独自のデータと、最先端のAI解析技術を活用することで、5週間先の生鮮トマトの収量予測が可能になりました。精度の高い収量予測によって、小売店へのトマトの安定供給だけでなく、食品ロス削減にも貢献していきます。

また2022年9月には、日本電気(NEC)と共に、AIによる加工用トマトの営農支援を行う合弁会社「DXAS Agricultural Technology LDA(ディクサス アグリカルチュラル テクノロジー)」をポルトガルに設立。センサーや衛星写真を活用して、トマトの生育状況や土壌の状態を可視化するサービスと、熟練栽培者のノウハウを習得したAIが営農アドバイスをするサービスを販売しています。

品種改良で農業の生産性向上に貢献

カゴメは、遺伝子組み換えではない従来の交配技術により、農業の生産性向上に貢献する試みも続けています。

2019年には、北海道の農業で深刻な問題となっている外来の害虫「ジャガイモシストセンチュウ」と「ジャガイモシロシストセンチュウ」に対して、抵抗性と密度低減効果を持つ加工用トマトを開発しました。

この抵抗性加工用トマトの開発は、令和3年度(第22回) 民間部門農林水産研究開発功績者表彰において、農林水産大臣賞を受賞。北海道における加工用トマトの産地拡大に貢献しています。

カゴメでは引き続き、様々な方法で「安心・安全な野菜」を生活者に安定的に届けるための挑戦を続けていきます。