1955年にアメリカ・カリフォルニア州のディズニーランドでオープンし、世界各地のディズニーのテーマパークで愛されているアトラクション「ジャングルクルーズ」。
アメリカ・カリフォルニア州のディズニーランドとフロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドで、この人気アトラクションから人種差別的な表現、特に先住民族のネガティブな描き方が取り除かれることになった。ロサンゼルスタイムズなどが報じた。
ディズニーは1月25日、ジャングルクルーズのリニューアルについて「これまでより正確に世界の多様性をうつしだし、その価値を伝える内容になる」とブログで説明した。
差別的だと批判されてきた内容
ジャングルクルーズは、船長のボートに乗ってジャングルを進む探検ツアーだ。
ディズニーランドによると、元々は事実に基づくアドベンチャー映画のアトラクションで教育的な内容だった。そこに1960年代、ウォルト・ディズニー氏監修の下、ドラマ的な内容や喜劇的な要素が加えられた。
60年以上にわたって愛されてきた一方で、ジャングルクルーズは人種差別的だという批判を長年受けてきたとロサンゼルスタイムズは説明する。
ウォルト・ディズニー・ワールドのウェブサイトで、同アトラクションの内容は「アジアやアフリカ、南アフリカのエキゾチックな川を冒険するボートツアー」で「このエリアで見つかった、首刈り部族に警戒しよう」と紹介されている。
新しいジャングルクルーズの内容
今回の変更は、「イマジニア」と呼ばれるディズニーのテーマパーク設計や開発を手がけるクリエイターたちが熟慮の末に決めたという。
「イマジニアは定期的に、アトラクションの内容の改善を考えています。中でもクラシックアトラクションの変更は、熟考を重ねて決めています」
「今回の変更では、イマジニアたちは多くの人たちに愛されている内容を残しながら、これまでのネガティブな描き方を変えました」とディズニー社は声明で説明する。
また、ディズニー・イマジニアリングのカルメン・スミス氏は、「世界中の人たちの声や視点を取り入れるのはイマジニアである私たちの責任です。人々に愛されてきたジャングルクルーズのユーモアや素晴らしい船長のウィットをさらに生き生きとしたものにしながら、必要なリニューアルを加えました」と述べている。
ディズニーは新ジャングルクルーズの全貌を発表していないが、公開された写真にはサイに追いかけられて枯れ木にしがみつく人たちや、チンパンジーに乗っ取られたボートが描かれている。
ロサンゼルスタイムズによると、新ジャングルクルーズは2021年内にスタートする予定だが、新型コロナウイルスの影響で遅れる可能性もある。
カリフォルニアのディズニーランドは新型コロナウイルスの影響で、2020年3月から一部商業施設をのぞいて臨時休園が続いている。
近年ディズニーは、人種差別的だと批判を受けたアトラクションのリニューアルを続けている。
同社は2020年、スプラッシュマウンテンのモデルを、1946年に公開されたディズニー映画『南部の唄』から黒人の少女が主人公の映画『プリンセスと魔法のキス』に変更すると発表した。