試合前に選手の顔を平手打ちした柔道のコーチを、国際柔道連盟(IJF)が厳重注意した。
選手を叩いたのは、ドイツ柔道・女子63キロ級代表のマルティナ・トライドス選手のコーチ、クラウディウ・プーサ氏だ。
プーサ氏は7月27日に行われた試合前、トライドス選手の肩をつかんで揺さぶり、顔を2度平手打ちした。
これに対しIJFは28日、「IJFはドイツのコーチが試合の際にとった悪い行為を厳重注意します」と声明を発表し、プーサ氏の行動を叱責した。
さらに「柔道は教育的なスポーツであり、このような行動は容認できません。柔道の精神に反します」とも指摘している。
ソーシャルメディアでも批判
トライドス選手自身はプーサ氏の行動を擁護しており、試合後にInstagramで「気合を入れるためであり、私が望んだのです」とコメントした。
しかし、体をゆさぶり顔を叩くという行為を見た人たちの中には、ショックを受けた人たちも少なくない。
スポーツの世界では、「指導」という名目で指導者が選手に暴力がふるうことが問題になっている。
今回の出来事は、選手やコーチ、団体など、スポーツに関わるそれぞれの人たちが暴力を否定することが大事だということを、オリンピックの場で伝えることになった。