美白製品の一部を販売中止に。ジョンソン・エンド・ジョンソン、「Black Lives Matter」運動を受けた製品批判で

「『自然な肌の色よりも白い方がいい』と強調しているとして議論を呼びました。しかし、それは私たちの意図するものではありません」
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シリコンバレーにあるジョンソン・エンド・ジョンソンのオフィス
Andrei Stanescu via Getty Images

アメリカの医薬品大手「ジョンソン・エンド・ジョンソン」(J&J)が、肌を白くするために使われているシミ消しクリームを販売中止することになった。ニューヨークタイムズロイター通信が6月19日に報じた。

■アジアや中東で売られている商品が対象

対象となるのは、アジアと中東で販売されているNeutrogena(ニュートロジーナ)ブランドの「Fine Fairness」と、インドで販売されているClean&Clearブランドの「Clear Fairness」のシミ消しクリーム。

いずれもアメリカ国内では流通しておらず、日本で正規販売されているかは不明だ。BuzzfeedNews によるとこれらの商品名に使われている「Fairness」という単語はインドで「Fair skin(白い肌)」を意味するという。

これらの商品の生産や輸出を中止したことで、店頭在庫限りになる。公式サイトから製品紹介のリンクを削除したという。

ニューヨークタイムズは、同社のコメントを以下のように掲載した。

「過去数週間にわたって、NeutrogenaやClean&Clearのシミ消しクリームの商品名や訴えている効果が、肌の白さや『自然な肌の色よりも白い方がいい』と強調しているとして議論を呼びました。しかし、それは私たちの意図するものでは決してありません。健康な皮膚は美しい皮膚です」

■「Black Lives Matter」運動が背景に

5月25日に黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警察官によって暴行死したことを受けて、アメリカでは差別反対を訴える「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」をスローガンに掲げた運動が広がっている。

J&Jが展開する絆創膏「バンドエイド」も6月10日、公式Instagramの声明で「人種差別や暴力、不公正と闘うために、黒人の同僚や協力者、コミュニティとともに私たちは立ち上がります」として、多様な肌の色に合わせたバンドエイドを販売することを発表。「Black Lives Matter」運動への寄付も表明していた。

その一方、BuzzfeedNewsが13日、J&Jやオレイ、ユニリーバなどの化粧品大手が「Black Lives Matter」運動への連帯を表明しながら、美白製品の販売をしていることを批判する記事を掲載するなど、反発する声がアメリカ国内で出ていた。