2020年のアメリカ大統領選で民主党の大統領候補をほぼ確実にしているジョー・バイデン氏が、副大統領候補に上院議員のカマラ・ハリス氏を指名した。
ハリス氏は55歳。知名度や業績から、最も有力な副大統領候補の1人だと考えられていた。また、民主党の大統領候補を選ぶ予備選挙では、バイデン氏のライバルでもあった。
バイデン氏は副大統領候補を発表したツイートで、ハリス氏のことを「弱い者のために闘う恐れを知らないファイターで、アメリカで最も素晴らしい公僕の1人だ」と賛辞を送った。
当選すれば、アメリカ初の黒人で初の女性副大統領
バイデン氏は副大統領候補を選ぶ基準として、1. 大統領になるのにふさわしい業績があること、2. 重要な問題で共通の考え方をしていること、3. 女性であること、の3つを示していた。
副大統領候補には女性を選ぶことを、バイデン氏は3月に明らかにした。その後、黒人への不公平や不正義に対する抗議活動「ブラック・ライブス・マター」が広がる中で、黒人女性を選ぶようプレッシャーがかかっていた。
バイデン氏自身や彼の選挙チームも、黒人の女性を選ぶことが、同氏にとって有利になると認識していたといえる。
バイデン氏は、白人が多いアイオワ州やニューハンプシャー州の選挙結果は不振だったものの、民主党の票が黒人に左右されるサウスカロライナ州で大きな勝利を収め、この勝利が彼の選挙戦を大きく好転させた。
もしバイデン氏が当選した場合、ハリス氏は黒人として、さらに女性としてアメリカ初の副大統領になる。
予備選では、バイデン氏を激しく攻撃したことも
2016年に上院議員に選ばれる前まで、ハリス氏はカリフォルニア州の司法長官(2011-17)やサンフランシスコ地方検事(2004-2011)を務めた。
ハリス氏とバイデン氏は、バイデン氏の息子のボー・バイデン氏(2015年に死去)がハリス氏と同時期に州司法長官を務めていた関係で、親しくなった。当時バイデン氏は、オバマ政権の副大統領だった。
ハリス氏は、2020年大統領選挙で民主党候補として予備選に出馬したが、十分な選挙資金が集まらなかったため、2019年12月に予備選からの撤退を表明した。
その際にバイデン氏は、ハリス氏を深く尊敬しており「彼女はいつの日か、大統領になるだろう」と述べた。
その後、ハリス氏は3月にバイデン氏を大統領候補として支持すると表明。「この混乱の時代に、ジョーほど私たちの国の舵をうまく取り、大統領オフィスに真実と敬意と品位を戻すことができる人は他にいない」と、支持の理由を語った。
一方予備選のディベートでは、ハリス氏がバイデン氏を「かつて人種分離政策を支持する議員に協力した」と激しく批判する場面もあった。
カリスマ性のある副大統領候補として注目集まる
バイデン氏に比べて若く、カリスマ性を持つハリス氏は、バイデン氏にはない資質をホワイトハウスにもたらすだろう。
さらに副大統領候補に選ばれたことで、ハリス氏は有力な次期大統領候補としても注目を集めることになる。
もし当選した場合、バイデン氏は就任の時点で最高齢の大統領になる。ポリティコは、予備選の間にバイデン氏が側近に2期目は立候補しない考えを示唆したと報じた。
バイデン氏はその後、そのような考えはないと否定したが、もしバイデン氏が当選した場合、ハリス氏を有力な次期大統領候補に押し上げることになる。
バイデン氏とハリス氏は8月12日に、デラウェア州で最初の公式発表をする予定だ。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。