「タバコ」にまつわる、ある衝撃的な数字を見てほしい。
値上げを繰り返しながらも、タバコによる税収がここ30年ほど2兆円台をキープしていることはよく知られているだろう。では、タバコによる「損失」はどうだろう?
厚生労働省の研究によると、タバコを原因とする病気や火災など、その損失は推計2兆500億円にのぼるという。
増税による値上げ、喫煙所の縮小、加熱式タバコの登場...。そして、4月1日からは望まない受動喫煙の防止を図る改正健康増進法が全面施行され、飲食店や職場などの「原則屋内禁煙」が義務化される。
タバコを取り巻く環境は、大きく変化している。その時、「吸う人」「吸わない人」は何を思う?
「百害あって...」とは行かない、タバコの真実
あなたにとって、「タバコ」とは?
吸わない人にとって、タバコは「害」のイメージが強いだろう。健康への害、ニオイ、火を扱うというリスク...。また、近年はタバコの価格が上昇傾向にある上、喫煙可能な場所も減っており、「お金と時間がもったいない」と感じる人も少なくない。
国税と地方税からなる「タバコ税」よる収入はここ30年以上2兆円台をキープしており、貴重な税収源であることはよく知られている。しかし、冒頭で取り上げた通り、実際にはタバコに伴う損失は2兆円を超えており、トータルでみると「赤字」である。
しかし、吸う人から見たら、どうだろう?
愛煙家にとって、「一服」は様々な目的がある。リラックス、リフレッシュ、自分自身と向き合う時間、仲間との会話を楽しむ時間...。決して「害」だけではないのも、また事実だ。
「タバコ」「喫煙」を取り巻く様々な変化について、人々はどう捉えているのだろうか。4月1日の改正健康増進法全面施行に先立ち、様々な立場の意見を聞いてみた。
①喫煙者
②非喫煙者(喫煙経験なし)
③禁煙に成功した人
①喫煙者
30代男性
── 喫煙とは、あなたにとってどんなものですか?
「他に代えられない習慣。仕事の休憩中にスマホを見ると余計焦るので、タバコを吸って、深く息を吐くことが頭の切り替えやリラックスになる」
── 喫煙を取り巻く環境が大きく変わっていますが、考えに変化はありますか?
「肩身が狭いし、健康のことも考えてやめたいとは何回か思った。ただ、吸える場所が限られる方が一服をちゃんと楽しむことができるようになると思うので、良い面もあるかな」
20代女性
── 4月1日から、飲食店など屋内で広く喫煙禁止となりますが、どう思いますか?
「タバコを吸うのは仕事中と自宅のみ。お酒を飲まないので食事中は吸わないし、あまり影響はない」
20代男性
── 喫煙可能な場所が減っていることに対して、どう思いますか?
「受動喫煙防止のために喫煙スペースを縮小するのは、ポイ捨て防止のために、ゴミ箱を減らすのと同じイメージ。かえって路上喫煙が増えるのでは。喫煙所が減ったからと言って、本数を減らそうとか禁煙しようとは思わないが、吸えないタイミングが増えるのは嫌」
②非喫煙者
20代男性
── 喫煙について、どのようなイメージがありますか?
「健康に悪いし、ニオイや煙、周囲に気遣いしなければならないことが多い。価格も高い上、最近は吸える場所を探すのに時間もかかる。正直メリットがないと思う」
── 最近、喫煙可能な場所が減っていますが、どう思いますか?
「分煙、禁煙の場所が増えるのは良いこと。タバコを吸う人にとっても、ニオイや受動喫煙などいろいろなことを気にかけながら吸っていたら“一服”にならないと思うので」
30代女性
── これから、屋内では基本的に喫煙ができなくなることを、知っていましたか?
「知らなかった。今までタバコはあまり気にならなかったが、子供が生まれてからすごく注意するようになった。飲食店での煙が気になることが多いので、それがなくなるのは素直に安心できる。駅前の喫煙所も、徐々に減って行ったら良いのにと思う」
50代男性
── 改正健康増進法の全面施行を受けて、非喫煙者にとって何が変化しそうですか?
「外出先の選び方が変わる。今まで、居酒屋は喫煙者が多いイメージだったので避けがちだったが、これからは気兼ねなく選べそう。子どもや妊婦など、煙を避けたい人の選択肢も広がるので、良いのでは」
③禁煙に成功した人
40代男性
── 禁煙に踏み切ろうと思ったきっかけは何でしたか?
「吸える場所を探す時間がもったいないと感じるようになった。禁煙、分煙の場所が増えるにつれて、タバコに対する周りの目が厳しくなっているとも感じており、今まで以上に気遣いをしなければならなくなったのも、きっかけの一つ」
20代男性
── 喫煙の目的は何でしたか?
「コミュニケーションツール。喫煙所をきっかけにコミュニケーションが深まったという経験が多い。だが、最近は吸える場所もどんどん減っているので、その目的が薄れてきて、禁煙に踏み切った」
── 吸わなくなって、気づいたことはありましたか?
「吸わない人に対して、申し訳なかったという気持ちに変わった。特にニオイ。今まで喫煙に対してあまり意見しなかった方々にも、法改正など禁煙に向かう風潮が後押しとなって、タバコに対する風当たりがさらに強くなっていくのかなと感じている」
30代女性
── 喫煙可能な場所の減少で、どのような影響・効果があると思いますか?
「喫煙者、非喫煙者どちらの気持ちもわかる。喫煙者からしたら、カフェや居酒屋で吸えなくなるのは結構辛いと思う。売り上げにも影響するのでは。非喫煙者にとっては、より過ごしやすい社会に向かっていると感じる。タバコの値上げ後も税収はほぼ変化していないし、その点ではあまり影響ないかなと思う」
吸う人にも、吸わない人にも寄り添うためには?
4月1日に改正健康増進法が全面施行され、吸う人にも、吸わない人にとっても大きく変化する喫煙環境。その施行当日、新聞の全面に、ある“宣言”が掲載された。
これは、製薬、医療機器その他ヘルスケア関連製品の大手、ジョンソン・エンド・ジョンソンが発表した「ノンスモでいこう宣言」。
喫煙者へのインタビュー結果からもわかるように、喫煙が持つ意味は人それぞれ。自分と向き合うため、オンオフ切り替えのため、コミュニケーションを深めるため...。その一方で、ニオイ、煙による害、喫煙所を探し回る時間など、大切な“一服”の時間にさまざまなエネルギーを費やしていることもわかった。
「吸いたい」と思う”そのとき”の一本を無くすことで、喫煙者が抱える気遣いや配慮、ストレスを減らせるという体験をしてほしい。その先に禁煙の決意が生まれたとき、「ニコレット®」で吸いたい気持ちを和らげ、禁煙達成をサポートしたい──。そんな思いが込められたのが、同社の掲げる「ノンスモ」だ。
タバコの値上げ、喫煙所の縮小など、社会が禁煙に向かいつつあるのは事実。だが、その中でも喫煙者に寄り添い、吸う人にも、吸わない人にとっても快適な環境づくりを後押ししようとするのが、この取り組みの狙いである。
禁煙を押し付けるものではない。「一本吸いたいけど、喫煙所を探すのも手間だし...。」”そのとき”の一本を無くしてみるノンスモ体験を通じて、「いっそ禁煙してみよう」と喫煙者が気軽に考えられるようになることを、同社は目指している。
「ノンスモ」によって、吸う人、吸わない人にはどんな変化が生まれるのだろう? 意見を聞いてみた。
①喫煙者
20代男性
「仕事終わりの一杯が美味しく感じるように、どうしても一服したい日はある。でも、特に吸いたいわけではないのに、雰囲気や流れで吸っている時も。自分にはまだ自信がないが、そういう時にノンスモという選択肢があれば、一本を減らすきっかけになるのかも」
20代女性
「“一服”にタバコに代わるものはないと思っているので、ノンスモで一本ずつ減らし、禁煙達成できるかわからない。ただ、吸わない人にとっては、これが優しい選択肢なのかもしれない」
②非喫煙者
30代女性
「一本吸いたいだけでも、気遣いを伴う状況なのはわかる。かと言って、禁煙するにもストレスは付き物。ノンスモという新しいきっかけから禁煙につながったら、吸わない人の気遣いやストレスも自然と減っていくのでは」
健康、経済、環境...。様々な事情を背景に、喫煙をとりまく環境は今後も変化し続けるだろう。
吸う人にも、吸わない人にも、本当に優しい環境って一体?
喫煙に対するたくさんの意見と、「ノンスモ」という新たな選択肢。改正法施行をきっかけに、改めて考えてみてほしい。