絵本そっくりの消防車「じぷた号」引退 第二の人生は…
絵本に登場する消防車に似ていることから「じぷた号」の愛称で親しまれた大津市消防局のジープ型装備車が現役を引退し、第二の「人生」を歩み始めた。勤続33年。「縁の下の力持ち」は、同市真野2丁目の北消防署1階に展示され、子どもらを楽しませる。
装備車は、ダイハツの1983年式ディーゼル車「タフト」。各消防署や分団をまわって市内約150台ある消防車を点検し、小型動力ポンプ機などが消火活動中に壊れたときには応急処置をしてきた。正式名は「局装備1号車」。83年から昨年9月まで、荷台に工具や部品を積み、年間40~50回出動してきた。
そんな車を子どもが見ると喜び、週末になると関東などから写真を撮りに来る人がいたという。63年に発表された「しょうぼうじどうしゃ じぷた」(福音館書店)に登場する主人公に似ているからだ。
通常の消防車より目立たない小さな消防車「じぷた」が活躍する物語。北消防署の粟津裕貴さん(43)によると、装備1号車も、山火事の際、消防車が入れない山道をホースを積んで上り、消火作業で活躍したという。
局の内規では、装備車両は15年で更新すると決まっている。だが大きな故障をせず、他の車両や動力ポンプなどの更新が優先されてきた。昨年9月に更新費用が予算に計上され、新たな装備車両が来ると同時に役目を終えることになった。
北消防署の堀広哉署長(58)は「廃車にするのはもったいない。なんとかいかしたい」と、警防課に相談し、北消防署の玄関に展示することが決まった。
(朝日新聞デジタル 2017年03月15日 05時42分)
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